オジロワシと青サギ

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第一部 

 小雨が降り始めるなか、救命具とカッパをつけて、いよいよ出発。3人連れの家族が乗った小型カヌーが先に出て、すぐに見えなくなりました。中型に乗り合い5人、わたしのほかには、中年の娘と老齢の母親、友人らしい中年女性の、二組です。塘路湖では少し風がありましたが、釧路川に続く3キロほどのアレキナイ川という水路に入ると、もう水面は穏やかです。湖に漕ぎ出すとすぐ、たくましい若者のガイドさんが岸の木を指差し、「オジロワシだ」と教えてくれ(写真)、そちらに舟を近づけます。わたしと4人の女性たちは、櫂をそっちのけにしてカメラを構えるやら指を指して教えあうやら。この後は終点まで、ほとんどガイドさん一人で舟をこいでいました。アレキナイ川の手前に青サギ(写真)。舟を近づけると羽を広げて飛び立ち(写真)、あわててシャッターを押して、ようやく一枚だけ成功でした。

第二部

    フィンランド・モデルは好きになれますか 5
1 フィンランドの風土と歴史
 (3) 国家ビジョン(承前)

 言語と文化に関する権利の17条に、次のような文章がある。

   障害によって、サイン言語(手話ー引用者)を使ったり、通訳や翻訳を必要としたりする人の権    利は、法律によって保障されなければならない。

公用語フィンランド語とスウェーデン語(スウェーデン語系人口は5.53%)と規定しているが、わずか0.19%のロマ人(ジプシー)と0.12%のサーミ人にも、独自の言語と文化を維持・発展させる権利を保障している。

 18条は働く権利と営利活動に従事する自由についてである。

   法律に定められているとおり、だれもが自分の選択で被雇用、(自立したー引用者)職業、営利活動  によって、生計を営む権利をもつ。当局は労働者の保護に責任をもたねばならない。(中略)何人(な  んびと)も合法的な理由なしに解雇されてはならない。

日本ではいま、年収400万以上の労働者に残業代を支払わなくてもいいように、そして金銭で自由に解雇できるように、労働法制を変えようとしている(06,6,14朝日新聞)。フィンランドなら憲法違反である。フィンランド人の働き方について、目莞ゆみはこう書いているぁ「週末には二日休み、夏休みがほぼ一ヶ月、十月末の秋休み、クリスマス休暇と冬休み、そして三月の春休みがそれぞれ一週間、その他の祝祭日を含めると、年間就業日は、ほぼ七ヶ月くらいだ。これらの休暇の外に年休が二十五日、療休は、ちょっとした風邪でも、しっかり取得する。(中略)平均年収はおよそ450万円と、日本とほぼ同じくらいだ。」

 19条は社会保障の権利。

   尊厳ある生活に必要な収入を得ることができないものは、必要な給付と介護を受ける権利がある。  何人も、失業、病気、障害に際して、さらに子どもの誕生や扶養者を失った時と同じく老齢期には、  法律に定められた基礎的な給付を受ける権利を保障される。(後略)

この条の後半では、子どもの福利と発達を確保できるように家族や扶養者を支援し、整備された居住の場所を得る国民の権利を擁護せよと、行政に命じている。
 少数民族、障害者、失業者、病人、子ども、孤児、高齢者、家のない人、働く人。どんな状態の人でも国民であるかぎり福利を保障する、それがこの国の国家ビジョンになっていることがよくわかる。
(この項続く)