フィンランド・モデルは好きになれますか 15
第一部
いま前の家の人と立ち話をしました。「このまま秋になっちゃうんじゃないの」と彼が言います。今日の日中は室内で30度になりましたが、外に出れば風はさわやかです。空は青く澄み雲は白く、本当に秋空みたい。雲の多い日の朝焼けは色彩の饗宴のようです。刻々と模様が替わり、色が移ろいます。今日は赤みの強いものを4枚選びました。
第二部
フィンランド・モデルは好きになれますか 15
2 フィンランド人の一生
この章の構成を少し変更して、老齢期を(4)に加え、(5)を省略する。この項では主として各種統計をもとに、フィンランド人と日本人のくらしを比較してみる。フィンラド側の資料はStatistics Finland(http://www.stat.fi/tup/suoluk/suoluk-sosiaaliturva-en.html)である。
(4)社会人・納税者として、そして老齢期
〔国民負担と政府歳出予算〕
まず阿旅餾殀羈咾如▲侫ンランドと日本とアメリカの基礎的な数字を見る。
表 1
A 国土面積(千平方キロ) B 人口(百万) C 平均寿命(年) D 一人当たりのGNP(米ドル)
E 購買力パリティー(米ドル) F 失業率(%)
A B C D E F
フィンランド 338 5.2 79 32、790 29、560 8.8
アメリカ 9、629 290.8 78 41、400 39、710 5.5
日本 378 127.7 81 37、180 30、040 4.7
(03年)(04年、米03年) (06年) (04年) (04年) (04年)
国民一人当たりの国土面積は、アメリカが日本の11倍、フィンランドは22倍である。失業率が大きいのはフィンランド。
の国際比較からGDPに対する国民負担率を見る。
表 2
租 税 負 担 社会保障負担 計
個人所得税 法人所得税 消費税 資産税
フィンランド 47.1% 17.2% 64.3%
20.0% 6.0% 19.5% 1.6%
日本 21.5% 14.4% 35.9%
6.0% 5.0% 6.9% 3.5%
アメリカ 23.1% 8.7% 31.8%
年収600万円の人が個人消費に充てることができるのは、フィンランドでは214.2万円、日本では384.6万円、アメリカでは409.2万円ということになる。なお日本は8.9%の財政赤字があるので、これを国民負担に算入すると、35.9%ではなく44.8%になる。
次に、05年度政府歳出予算のいくつかの項目をフィンランドと日本で比較してみる。総額ではなく国民一人当たりに換算する。1ユーロを130円、人口はそれぞれ5.2百万人と127.7百万人で計算した。
表 3
フィンランド 日本
社会保障関係費 30万4800円 15万9599円
教育費 11万4475円 3万4506円
研究・開発費 4万0450円 1万0313円
防衛関係費 5万3725円 3万8030円
国債費 6万1175円 14万4418円
日本は国債費が重い。国防費はフィンランドのほうが高く、社会保障関係は日本がフィンランドの半分弱で、教育費と研究・開発費は三分の一と四分の一ほど。フィンランドの数字は関係省の予算であり、日本と一致しないところもあるから、正確な比較とは言えない。それでも、だいたいの傾向はわかる。社会保障関係では、フィンランドのばあい地方自治体の役割が大きい。03年の社会保障支出総額(表4)は一人当たり96万7900円だから、地方自治体の財政負担は政府負担の2倍を超えるのだろう。
表 4
社会保障支出総額に対する各項目の割合
病気・健康:24.3% 障害:12.8% 高齢:32.2% 生活保護:3.7%
家族・子ども:11.1% 失業:9.6% 住宅:1.1% 他の社会保障:2.1%
管理費:3.2% 総額387億1600万ユーロ GDPに対する割合:26.9%
(この項続く)
いま前の家の人と立ち話をしました。「このまま秋になっちゃうんじゃないの」と彼が言います。今日の日中は室内で30度になりましたが、外に出れば風はさわやかです。空は青く澄み雲は白く、本当に秋空みたい。雲の多い日の朝焼けは色彩の饗宴のようです。刻々と模様が替わり、色が移ろいます。今日は赤みの強いものを4枚選びました。
第二部
フィンランド・モデルは好きになれますか 15
2 フィンランド人の一生
この章の構成を少し変更して、老齢期を(4)に加え、(5)を省略する。この項では主として各種統計をもとに、フィンランド人と日本人のくらしを比較してみる。フィンラド側の資料はStatistics Finland(http://www.stat.fi/tup/suoluk/suoluk-sosiaaliturva-en.html)である。
(4)社会人・納税者として、そして老齢期
〔国民負担と政府歳出予算〕
まず阿旅餾殀羈咾如▲侫ンランドと日本とアメリカの基礎的な数字を見る。
表 1
A 国土面積(千平方キロ) B 人口(百万) C 平均寿命(年) D 一人当たりのGNP(米ドル)
E 購買力パリティー(米ドル) F 失業率(%)
A B C D E F
フィンランド 338 5.2 79 32、790 29、560 8.8
アメリカ 9、629 290.8 78 41、400 39、710 5.5
日本 378 127.7 81 37、180 30、040 4.7
(03年)(04年、米03年) (06年) (04年) (04年) (04年)
国民一人当たりの国土面積は、アメリカが日本の11倍、フィンランドは22倍である。失業率が大きいのはフィンランド。
の国際比較からGDPに対する国民負担率を見る。
表 2
租 税 負 担 社会保障負担 計
個人所得税 法人所得税 消費税 資産税
フィンランド 47.1% 17.2% 64.3%
20.0% 6.0% 19.5% 1.6%
日本 21.5% 14.4% 35.9%
6.0% 5.0% 6.9% 3.5%
アメリカ 23.1% 8.7% 31.8%
年収600万円の人が個人消費に充てることができるのは、フィンランドでは214.2万円、日本では384.6万円、アメリカでは409.2万円ということになる。なお日本は8.9%の財政赤字があるので、これを国民負担に算入すると、35.9%ではなく44.8%になる。
次に、05年度政府歳出予算のいくつかの項目をフィンランドと日本で比較してみる。総額ではなく国民一人当たりに換算する。1ユーロを130円、人口はそれぞれ5.2百万人と127.7百万人で計算した。
表 3
フィンランド 日本
社会保障関係費 30万4800円 15万9599円
教育費 11万4475円 3万4506円
研究・開発費 4万0450円 1万0313円
防衛関係費 5万3725円 3万8030円
国債費 6万1175円 14万4418円
日本は国債費が重い。国防費はフィンランドのほうが高く、社会保障関係は日本がフィンランドの半分弱で、教育費と研究・開発費は三分の一と四分の一ほど。フィンランドの数字は関係省の予算であり、日本と一致しないところもあるから、正確な比較とは言えない。それでも、だいたいの傾向はわかる。社会保障関係では、フィンランドのばあい地方自治体の役割が大きい。03年の社会保障支出総額(表4)は一人当たり96万7900円だから、地方自治体の財政負担は政府負担の2倍を超えるのだろう。
表 4
社会保障支出総額に対する各項目の割合
病気・健康:24.3% 障害:12.8% 高齢:32.2% 生活保護:3.7%
家族・子ども:11.1% 失業:9.6% 住宅:1.1% 他の社会保障:2.1%
管理費:3.2% 総額387億1600万ユーロ GDPに対する割合:26.9%
(この項続く)