雲間に入る夕日

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 健さん勤労感謝の日だったんですね。リタィヤして日がたつと祝日にはトンと無関心になります。き

のうもあんまり意識していませんでした。


 このところ何度か朝焼けを撮りました。少し趣向を変えてきのうは夕焼けを。よく晴れた東の空が薄く

色づいたころ、車を出して高台に向かいました。残念なことに着いたときには西空に厚い雲が居座り、稜

線への日没にはなりませんでした。


                 「歴女」って ?


 最近ときどき歴女という言葉を見ます。歴史に興味をもつ女性が増えるのはけっこうなことです。しか

し、伝えられているように彼女たちが戦国武将に思い入れをもつのだとしたら、わたしには違和感があり

ます。

 現実の歴史では、戦場になった村々では略奪、レイプ、人狩り(住民を捕えて奴隷として売る)が多発し

ました。それらは下級兵士に対する報償として、常態化していることが多かったようです。若い百姓の男

は、地べたを這いずり回る生活を抜け出したいと、従軍を望むこともあったでしょう。イチかバチかに賭

けて、運が悪ければ死ぬけれど、勝ちにめぐまれれば財を手にしたり女を犯したりできるから、と。戦国

武将はそういう男たちの親玉です。

 働き盛りの男が去ったあとで重労働が肩にのしかかる女にも、戦場になった村でレイプや人狩りの対象

にされる女にも、戦は忌まわしいものでしかなかったはずです。出世欲や「男らしさ」を刷り込まれた男

が、権力興亡を演じた歴史上の人物に自分の思いを重ねるのならわかります。わたしも子どものころ真田

幸村が好きでした。しかし女の人たちまでどうして ?

 ひょっとして自分をお姫さまや奥方さまと重ねるのでしょうか。昔ほとんどの女性は村にいて、大勢の

子どもを産まされては死なれる、貧しいくらしをしていました。武将のお姫さまや奥方さまは、一握りだ

ったはずです。その彼女たちにしても、人質にされたり婚姻政略に使われたり、世継を産み性的奉仕をす

る道具として扱われたり、買った武将たちの戦利品とされたりしていたのに。

 あるいは単に本当の歴史を知らないだけなのでしょうか。学校で教えられる歴史は権力興亡に重点があ

り、民衆生活の実態をほとんど扱っていません。そしてテレビやドラマの世界には、現代的な価値観に迎

合する甘ったれたウソの歴史像が流通しています。実際の過去の歴史は、民衆的な視点からすれば、はら

わたが煮えたぎるほど口惜しいことの連続です。歴史に興味をもつなら、大多数の人にとって自分の祖先

である貧しい民衆が、累々と重なる、不条理な、無残な死を何とか凌いで、辛うじて生をつないでくれた

からいま自分がいることに、思いを馳せてもらいたいものです。

 それにしても、戦国武将への女の人たちの思い入れは、最近また高まっているという主婦願望と関係が

あるのでしょうか。日本はジェンダー・エンパワーメント指数(女性の政治・経済活動への参加度合い)

が、先進国ではほとんど最低です。それに憤るというより、むしろ甘んじようという気分と。