湖面に映る白い雲

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  yan*_*akiさん、むかし、他部族を襲って財と人を奪うことが、獣を狩るのと同じように考えられてい

た人々の集団がありました。日本でも少なくとも戦国時代までは、戦争とは下級兵士にとって略奪とレイ

プと売るための奴隷獲得のチャンスだったという考証があります。特に狩猟牧畜民には、そういう習慣が

多かったようです。アフガンやソマリアには、その時代の気風がいくらか残っているのではないでしょう

か。そういう部族でも、内と外は厳密に区別され、外は狩場でも内にはそれなりの秩序があったはずで

す。現代的な視点からは野蛮に見えるかもしれませんが。

 近代国家が中世的部族に帝国主義的な意図で力づくで干渉した、それがいまの泥沼の遠因になっている

ような気がします。いまさら言ってもせんないことですが、閉鎖的な前近代的地域に対しては、近代諸国

が世界市場への欲望を控え、文化と情報の開示と受身の交易以外の干渉を慎んでいたら、と思います。内

部の経済や意識がゆっくり成熟して、自然に外に開かれるのを待つことができたら、現在の悲劇はなかっ

たでしょうに。

 それにしても、今でも戦争は人の心の中に潜在する獣性を覚醒させるようです。現代の「民主主義国」

の軍隊ならその弊を免れる、とはいかないみたい。


 蕭条(しょうじょう)とした枯野ばかり見ていると、過ぎた秋の明るい光景が懐かしくなります。ちょう

ど一月前の屈斜路湖では、柔らかな陽が射して白い雲が湖面に映っていました。