摩周湖に映る雲と崖

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 早朝は摩周湖にふたをしていた白雲が8時過ぎから薄くなり、湖面が雲や外周の峰を映しはじめました。最初
 
の一枚で摩周岳の前の湖面に見えている丸く黒い影は中島(カムイシュ島)です。ちょうど島の後の空に陽があ
 
るので、影になってしまいました。この島にはこんな言い伝えがあるそうです。
 
  二つのコタンが争い、敗れて仲間がほとんど全滅したコタンから孫を連れた老婆が逃れる。彼女は途中で孫
 
を見失い、カムイヌプリ(摩周岳)に一夜の休息を請い許される。だが疲労困憊して動けなくなり、ひたすら孫を
 
待ち続け、とうとうカムイシュ島になってしまつた。今でもだれかが近づくと、孫が来たかと嬉し涙を流し、その涙
 
が雨や霧や吹雪になる。
 
 アイヌ口承文学、ヤマトの記録、シャチの遺跡などからすると、アイヌは集落間で殺しあうこともあり、ときには
 
広域的に軍事を指揮するチーフが現わたようです。どこまでが先んじて政治国家を成立させていた本州の影響
 
かはわかりません。ともあれ、水稲栽培は受け入れなかったものの、いつのころからか粟などの雑穀(主として
 
酒造用だったのかも)は栽培するようになっていましたから、ヤマトの干渉がなければ、やがて独自の国家にな
 
ったのかもしれません。狩猟採集の自然経済から農牧の食糧生産に移行し、総人口と人口密度が増加したす
 
べての社会が、部族→部族連合→チーフダム→政治国家への過程をたどっていますから。
 
 
 本州ではほとんど毎日のことかもしれませんが、昨日はこの地域ではまれな猛暑日になりました。外気温は3
 
6度に達し、窓という窓をすべて開け放しても、ウチのリビングの温度計は39度。さすがにたまらず、朝10度か
 
ら夜9時まで、クーラーのある部屋に閉じこもりました。その後は窓から入る冷気が快い夜になったけれど。今日
 
午後からは雨になり、酷暑も一段落の予報です。