あざやかな黄葉

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 窓から外を眺めても魚無川沿いの林を歩いても、目に入るのは裸木々と枯葉枯れ草。いま家々と舗道を

濡らしている冷たい雨は、蕭条(しょうじょう)とした晩秋の気配をいや増すばかりです。夜になって予

報どおり雪が降り、しんとした白い世界に変わるのでしょうか。

 明日の冬景色を待ちながら、いまは再び往く秋を惜しみます。10月の屈斜路湖畔の森では、黄葉もま

たあざやかでした。湖水の青も山葡萄の赤い葉も、華やぐ黄金色の引き立て役です。秋色に染まった路傍

の唐松や並木の公孫樹もみごとですが、残る緑に飾られた森の黄葉は初々しささえ感じさせます。

 彩り豊かなかな秋の森には生命の気配が満ちています。草や木が、腐葉土を厚くし、水を蓄え、菌を育

て、昆虫や鳥や動物を養う自分たちの役割を果たしきろうとしているような。踏みしめればカサコソと鳴

る落葉や、渓流を舞いながら流れ下る枯葉は、しみじみとした情緒はあっても、燃え立つ草木ほどには積

極的な意志を感じさせません。