だんだん明るく
らなくなるまで、テニスに熱中していました。
能取岬沖のオホーツク海が少しずつ明るくなると、たくさんの漁船が操業しているのが見えてきまし
た。サケ漁でしょうか。岸の釣り人は不漁をかこっているようですが、店に出る値段がどんどん安くなっ
ていることからすると、沖ではかなり獲れているみたい。このあたりの海はまだまだ豊かなのですね。
パソコンルームが暖まるまで、録画しておいた“The 11th Hour”という映画を見ていました。環境問
題がテーマです。そのなかで海洋死滅の可能性も取り上げられています。温暖化による気温の上昇で深海
水と表層水の大循環が停滞し、深海への酸素供給が断たれ、大洋全体がヘドロの池のようになる想像図が
示されていました。
極域で氷が融けると海水の塩分濃度が薄くなり、表層水の沈み込みがなくなります。熱帯で湧出した表
層水が温められて極域に流れ、冷たい表層水が沈み込んで深海流となって熱帯に戻るのが大循環です。こ
れが熱のコンベアーべルトと呼ばれています。そのポンプに当たるのが、真水が凍って濃い塩分で比重が
大きくなった表層水の沈み込みです。北海道北部と同じ緯度のヨーロッパがずっと暖かいのは、沿岸が暖
流の通路だから。大循環が停止したらヨーロッパは寒冷化して、農業は大打撃を受けます。それは知って
いました。しかし海洋水攪拌機能はあまり意識していませんでした。
浄化力がなくなれば海は死にます。停止した大循環は、何千年かあとに氷河期を経て回復しますが、そ
れまでにヒトは絶滅しているでしょう。現在の温暖化対策が、この最悪のシナリオ回避に間に合うのかど
うか。どちらにしても、わたしは豊かな能取の海がヘドロの池になるのは見ずにすみますけれど。