鳥と狐  精度が増した温暖化予想

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 一枚目は9月27日にせせらぎ公園入り口近くの堤で出会ったハトよりちょっと大きい鳥です。シギの

一種かと思いますが、ちがうかも。後の二枚は10月4日に大雪高原温泉に行く途中で見たキタキツネ。


〔精度が増した温暖化予想〕

 今年のノーベル平和賞がゴア米前副大統領とIPCCに授与されました。かつては少数専門家の主張で

あったCO2による温暖化説が、いまや世界という表舞台の主役の一つになった、ということでしょう。

今年2月と4月にIPCC(気候変動に関する政府間パネル―国連のもとに集まった各国研究者および政

策担当者による会議)の第一、第二部会による第四次報告が発表され、岩波の雑誌「科学」7月号にその特

集が組まれています。わたしは10年以上前から温暖化に関心を抱いて自分なりに議論を追っていまし

た。

 今度まず気づいたのは、第三次報告(01年)に比べ、温暖化のいまと将来の像に精度が増したことです

す。これまでは2100年に気温が6.4度上昇する可能性など、危機が強調される一方で、不確定な要

素も指摘され、懐疑論に付け入られるあいまいさもたくさんありました。今回は、輪郭がよりくっきりと

浮かび上がっています。例えば次のような点です。

 温暖化がすでに始まっていることは確実。それが人為的な温室効果ガス増加による確率は90パーセン

ト以上。今後一層の気温上昇はもはや避けられない。数値としては、過去100年間は10年当たり0.

074℃、過去50年間は10年当たり0.13℃、今後20年間は10年当たり0.2℃。したがって

2027年には、いまただちに人為的CO2排出を半減したとしても、120年前に比べて1.14℃暖

かくなることになります。2100年の上昇を2.00℃以下に抑えることはかなり困難です。これは地

球全体の平均値です。

 上昇は陸域のほとんどと北半球高緯度の海域で最大、南極海北大西洋の一部で最小。熱塩循環(低緯

度の熱を高緯度に運ぶ海流と深海水の循環)が停滞して、低温化が始まる可能性は、数百年後はともか

く、今世紀中は考えられない、などはわかりました。これらの現象がもたらす異常気象や、局地的な気候

変動の予測もだいぶはっきりしてきています。警告から現実的な対応策を考える段階に移ってきている印

象です。また、懐疑論の合理的な根拠がかなり掘り崩され、今後は反温暖化論がもたらす民衆の情緒的な

反応にどう対応するかが、課題になりそうです。わたしも素人なりに考えてみます。