チングルマ草紅葉

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 リップさん、同じ日に黒岳へ行ったんですね。わたしたちが下りたときに見た行列の中にいたのかな。

あなたのブログにある上から見下ろした山肌の紅葉、いいですね。チングルマの写真を拝見したので、わ

たしの撮ったものもアップします。ロープウエーからリフトに向かう路傍のものです。


 エイモリー・ロビンスの主張を軸にした、NHKのプレミアム8・未来への提言という番組を見まし

た。彼は、自然エネルギーへの転換がもたらす経済的繁栄を確信していて、その実現に向けた事業を着々

と展開しているようです。楽観主義者のわたしは、提示された新社会のイメージに、うれしくなって

興奮気味でした。

 ただ一つ気がかりなことがあります。彼は、他の自然エネルギーとともに、バイオマスにも注目してい

ます。もちろん、トウモロコシ・大豆・サトウキビなどの作物をエネルギー資源として使うということで

はありません。食料植物栽培のできない荒地で栽培する燃料植物など、食用にならないセルロースを燃料

にする提案です。日本でも枯枝、作物残滓、雑草などのセルロースから燃料を得る(草=グラスとガソリ

ンから、グラソリンということばが作られています)研究が進んでいます。遅かれ早かれ採算に合う技術

ができると思います。

 自生していたり栽培されたりする地球上の植物がエネルギーを固定した有機物のうち、ヒトや動物が食

糧として利用している部分はほんのわずかです。有機物の大部分は自然に朽ち果てて地球環境の中を循環

し、バクテリアや植物を養い、生物が利用できなかった残りが水や二酸化炭素などの無機物として大気・

大地・海に拡散します。

 気がかりだったのは、非食料セルロースを燃料資源としてヒトが大量消費し、無機物に変えてしまった

場合、自然循環が乱れて、バクテリアや植物が使う資源に影響が出る恐れはないのか、という点です。植

物の三大栄養素は窒素、リン、カリウムです。窒素は空気の主要成分ですから、供給不足の心配はないで

しょう。カリウムは数世紀は採掘できるだけの量が地球にあると言われています。問題はリンです。D.

A.バッカーリが、採掘できるリン資源は今世紀末には枯渇しはじめる恐れがある、と指摘しています

(「日経サイエンス」09年9月号「迫り来るリン資源の危機」)。

 地球にある各元素の総量は一定です。生命に必須で希少な元素は、何度でも循環、再循環して生物体に

摂り入れられます。そういう循環が乱れれば生態系が崩壊する可能性があるのではないでしょうか。グラ

ソリンをガソリン代替燃料として大量消費するとき、そういう危険はないのだろうかと、わたしはふと不

安になりました。無知な素人の杞憂に終わればいいのですが。