今年の睡蓮

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 タムラの言うエンレイソウの実だけど、せせらぎ公園の例の場所はいま猛々しい薮に覆われて、踏み込

む気になれません。前にオホーツクの森で茂みに入り、ヒルに吸いつかれたことがあります。皮膚に食い

込んでいて、引き抜くのに苦労しました。それ以来臆病になっています。夏の北海道の湿った場所は刺す

虫が多くて。森の蚊や虻は衣服の上からでも刺してきます。歩道から手の届くところで実を見つけたら味

わってみましょう。もっとも、夏休み中は人出の多い場所を避けていますので、時季を失するかもしれま

せんけど。


 せせらぎ公園の入り口近い場所に作られた池で、いま睡蓮の花がきれいに咲いています。年々数が増え

ているみたい。白でなくピンクっぽい花を咲かせるものも、やはり正式にはヒツジグサと呼ばれる種なの

でしょうか。ヒツジからは白を連想しますよね。


            〔検診でガンになる ?〕

 岩波の雑誌「科学」09年6月号で、検診のための医療被曝(治療や検診で放射線を浴びること)のリスク

を啓蒙する記事(「医療被曝の現状とリスク」崎山比早子)を読みました。そのなかでわたしが興味を引かれ

たのは、次のような内容です。

 被曝にはこれ以下の放射線量なら安全という限界がなく、診断用エックス線がガンを発生させることが

ある。発ガンは、放射線がどの細胞のどの部分を通るか、発ガンの原因となるDNAを傷つけるか否か、傷

が修復されるか変異を起こすか、変異細胞が排除されるか体内に留まるか、などで決まる確率的なもので

ある。発ガン確率は線量に比例する。CTを含めると検査による日本人の発ガンは年間9905人とする論

文がある。この数は世界で突出してトップである。日本の医学教育の現状では、大部分の医者が放射線

線量や健康への影響についてのじゅうぶんな知識なしに、医療現場に出ている。肺がんと胃がんの検診で

放射線を使っているのは日本だけだ。アメリカがん協会のガイドラインでは、ヘビー・スモーカーでも、

症状がなければ検診は勧めない、としている。いまの日本では、職場や地域で、エックス線による肺がん

集団検診が推奨されているが、検診による肺がん死亡率減少効果について、検診にかかわらない第三者

よる客観的な追跡調査は行われていない、などです。

 検診でガンが見つかって、治療を受けて生還した人は、検診を支持するでしょうね。しかし、検診から

治療に入った人と、検診を受けずに自覚症状が出てから治療を受けた人との、生存率の差は調査してはじ

めてわかることです。そして、あなたのガンの原因はあの検査の放射線だとは言えません。あくまで多数

を対象とする確率の問題です。宝くじを2000円買って100万円以上が当たる確立はゼロに近いとわ

かっていても、実際に大金を手にする人が何百人かはいるので、やはり買いたくなるのと同じことです。

一人の主観にとって、確率は意味がなく、結果がすべてですから。

 宝くじなら、1800円損する客観的な確率計算を信じるのも、まずありえない偶然に賭けたい主観を

優先するのも、個人の自由です。しかし、公共政策として肺がん検診を推進するかどうかは、リスクと利

益を客観的に比較した上で決められなければなりません。検診の放射エネルギーはDNAの化学結合エネル

ギーより桁違いに大きいのですから、医療被爆に安全な下限はないというのは納得できます。欧米ではリ

スクのほうが大きいと判断しているのに、日本でちがう判断をする客観的な根拠は何なのでしょう。

 わたしは今月、再発・転移がないか調べるCTを受ける予定です。放射線による発ガンは数年後とか1

0年後とかの問題ですから、この歳でリスクは心配しません。しかし若い人はちがいます。検診を受ける

ように勧められたら、リスクについて質問してみたらどうでしょう。低濃度だからまったく危険はないと

いう答えが返ってきたら、その医者の科学知識を疑った方がいいと思います。