朝日おぼろに 『46年目の光』 3

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 hok​u l​ele​ さん、ファン登録ありがとうございます。こちらは一面銀世界なのに、鎌倉や房総では

水仙。ずいぶんちがいますね。


 サイタマンさん、励まされて昨日またつららを撮りました。整理したらアップします。


 学術的な知識を紹介している本は、後で参照する可能性があるデータや記述の箇所を、自分なりの索引

を作りながら読んでいます。『46年目の光』は、小説などと同じく読み物のつもりで手にしたので、索

引を作っていませんでした。450ページを超す厚さですから、手がかりなしに該当する箇所を探すのは

たいへんです。図書館で借りたので、目印もつけていませんし。あわてておとといネットで発注しました

ので、明日か明後日には届くはずです。そうしたら印をつけて索引を作ります。その後は書くのがずっと

楽になるでしょう。というわけで今日の『46年目の光』の3回目は、ほとんど記憶を頼りに書いていま

す。いくらか不正確なところも。

             〔『46年目の光』 3〕

 目が見えるようになることで、これまで受けてきた有形無形の支援がなくなる、仲間からは裏切り者と

思われる。そういう懸念の他に、手術の成功率は50パーセントで、失敗すればこれまであったかすかな

明暗の感覚も永遠に失われる。成功してもいつまた失明するかわからない。身体にきつい抗がん剤などの

治療をいつまでも続けなければならない。それでも発ガンの恐れがあるなど、これまでの充実した人生が

失われる可能性が多々あります。メイの計算ではデメリットが10とすればメリットは1。それでも彼は

長期間の熟慮の後に、手術を受けました。

 手術は成功。待っていたのは歓びと失望。色が、動きが、形が見える ! マイク・メイは有頂天にな

り、部屋の壁や天井から備品の一つ一つ、車窓を流れる風景、ビーチの女性たちと、飽かず賛嘆して眺め

ます。しかし彼は、妻の美しいプロポーションはわかっても、顔つきや表情は意味を持ってこないことに

気づきます。そして段差や凹凸は平面的な線や陰影・色の違いとしてしか知覚できません。

 のっぺらぼ-の仮面をつけた人々に囲まれてくらす自分を想像してください。舗道に引かれた模様にい

きなりつま先をとられて転倒し、壁に書かれた線に顔面を直撃されます。顔がわからない(相貌失認)だけ

でもつらいのに、世界は平面としか見えず、第三次元は彼に不意打ちを食らわせて打ちのめすだけの存在

です。

 さまざまな検査のはてに、視力は良好だけれども、学習で獲得される脳の視覚皮質の機能は回復する可

能性がまったくないと知らされます。加えて、免疫抑制剤の使用を控えるとすぐ角膜に異常が現れ、たち

まち再失明し永久に暗闇の世界に閉じ込められる危機が生じます。さらに、懸念されたように皮膚にガン

が発生します。さて、マイクはこの連続する困難にどう対処したでしょうか。(続く)