大雪山の雪 音楽に触る

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 遠目では目立たない角度もありますが、近づくにつれて、6月の大雪山は中腹まで雪が残っていること

がわかります。最後の一枚は黒岳五合目の林です。ここはいま春スキーのシーズン。ロープウエーの駅や

ゴンドラで、ゲレンデとはちがう半ば山衣装に身を包んだスキーヤーを、何人も見かけました。五合目か

ら7合目までリフトが運行されていて、そのあたりからこの写真の雪渓まで、一気に滑り降りるのでしょ

うか。あと一月もすればウコンウツギやチシマノキンバイソウなどに彩られる斜面です。


 岩波の雑誌「科学」5月号に、伊福部達という人が「バリアフリー科学のすすめ」と題して、おもしろ

いことを書いていました。音声スペクトルを16段階に分解して、その振動を指先に伝える装置(蝕知ボ

コーダ)をつくり、67歳の後天的盲聾者に試した。30分ほどの練習で、童謡が歌えるようになった、

というものです。

 著者は、人の聴覚が海水の流れや浮き沈みを検出する魚の触覚センサーから進化したと指摘し、盲聾者

の神経系に触覚ー脳ー発声という「情報ループ」が構築されたと推定しています。触覚で音楽を伝えられ

るとは考えてもみませんでした。

 その他にもバリアフリー科学のいくつかの方向が示唆されています。人の脳には、いまだ知られていな

い豊かな可塑性があるのでしょう。それを活用できれば、障害者や高齢者のくらしが、ずいぶん改善され

そうです。