せせらぎ公園華やかだったころ 2
汗流します。
キバナコウリンタンポポとコウリンタンポポ。魚無川のほとりに、隣接してそれぞれまとまっていまし
た。白い世界から気分を変える公園の花の第二段です。
万物の背景となる安定したニュートンの時間・空間像は、わたしたちの経験的理解と一致して納得しや
すいものでした。前世紀に科学者たちが受け入れた、重力で伸縮する時空連続体というアインシュタイン
の宇宙像は、わたしたちに経験から離れた認識を求めます。それだけで十分奇妙なのに、いま浮上してき
ているM理論はさらに奇想天外です。11次元の世界にかかわる二つの膜(メンブレーン)の衝突で、ビ
ッグバンが起きて、電子の大きさから急激に膨張していまの宇宙になったというのです。
そんなバカな!と一蹴できればいいのですが、03年から運用されているLIGO(レーザー干渉型重
力波観測所)、2015年に打ち上げられるLISA(レーザー干渉型宇宙アンテナ)、2025年に予定
されているBBO(ビッグバン オブザーバー)が、この理論の裏づけになる事実を発見するかもしれませ
ん。現在の代表的な理論物理学者であるミチオ・カクはそう考えています(『サイエンス・インポッシブ
ル』斉藤隆央訳 日本放送協会刊)。
M理論の運命がどうなるにせよ、量子論と相対論を統一的に説明する理論がいつかは成立すると思われ
ます。そうなれば、わたしたちの宇宙が唯一の世界という認識は捨てなければならないでしょう。重力以
外の情報は伝わらないたくさんの宇宙が、並行して存在したり生成消滅を繰り返したりしている、この時
空はそのひとつにすぎない、ということになるのでしょうか。
長くても120年しか生きられない個人にとっては、137億年というわたしたちの宇宙の年齢は目の
くらむような長さです。それでも地球生命の年齢が39億年前後と思われますから、連綿たる命の時間と
比較可能な尺度です。その宇宙が、時間も空間もない世界に浮かんでは消える泡のひとつのような存在だ
とすれば!ヒトが獲得した意識という作用の意味を考え直さなければならなくなりそう。