『イルカ』という小説を読みました

 サイタマンさんが本の紹介が参考になるとコメントしてくれましたので、図に乗ってもう一冊。
 昨日取り上げた作者の娘(よしもとばなな)の『イルカ』(文藝春秋)です。妊娠し胎児が育ち出生する生物的なできごとを、人間の意識、それも飛び切り繊細な感性で掬い上げ、見事に表現した作品です。彼女の最近の出産体験をベースにしているもので、男にはけして書けないリアリティーがあります。昨日の評論と重なるところが多いのですが、吉本さんやわたしの無骨な表現より、感情に訴える力はずっと大きいと思いました。
 
 水芭蕉の写真を「妖怪が出そう」とコメントされていましたので、今日は隣町の北見に買い物に行き、途中で広々とした風景を撮ろうと思っていたのですが、小説に読みふけって、それに昔懐かしい今村昌平の映画『神々の深き欲望』を最後まで見てしまったので、あっという間に一杯やる時間になってしまいました。そういうわけで今日の写真はお休みです。