福寿草光る

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

 7日のせせらぎ公園では、あちこちに雪が残るものの、明るい春の光を浴びて福寿草が光っていまし

た。ここではいまが盛りのようです。屈斜路湖畔の森の中や和琴半島の遊歩道では、5月半ばにも咲いて

いるでしょう。庭先の雪融け跡で、すみれが小さなつぼもをつけて出番を待っています。チューリップの

尖った芽が見えはじめました。


〔新しい文明の姿を考える 1〕

(1) 海面が60m上昇する可能性

 IPCC4次報告の温暖化による海面上昇予測は18から59cmです。この程度なら、一部の低地は

ともかく、世界全体では致命的なダメージにはならないのではないかと、わたしは思っていました。とこ

ろがある学者の、IPCC予測で考慮されていない要因を指摘し、最大で60m上昇の可能性があるとし

ている記事を目にしました(「日経サイエンス」08年5月号 R.E.ベル「なだれ落ちる氷床」)。

 地球の真水の大きな部分がグリーンランドと南極に万年氷として蓄えられています。極地の陸上の氷が

氷床で、海に張り出している部分は棚氷です。近年の温暖化で大規模な棚氷の崩壊が加速していること

は、たびたび報道されています。しかし、浮いている海氷が融解しても、氷が液体になると堆積が減るの

で、水位上昇効果はたいしたことがありません。氷床も滑り落ちて棚氷になり、やがて氷山となって海に

浮かびますが、海から蒸発した水分が雪になって降り、氷床の減少を補います。ここ1万年余、極地の氷

量は安定していました。

 ベルが指摘しているのは、氷床の流速が加速するメカニズムです。気温が上昇すると氷原の表面が融け

て水が溜まります。それが氷床の亀裂から下に落ちて、氷床底部と陸地の間に入り込みます。また南極大

陸の氷床下にはたくさんの湖があって、その間に水路が通じています。氷床底部の水が増えれば水路も拡

大します。こういった水が潤滑剤の働きをして、氷床の流速を増大させているというのです。流速が増大

すれば摩擦熱が大きくなり、いっそう加速が進みます。氷床の落下を留める栓の役割をしていた棚氷が消

えて、氷床の滑落が止まらなくなる可能性があります。IPCC予測にはこのメカニズムが組み込まれて

いないと、彼は言うのです。

 グリーンランド南極大陸の氷床がすべて融けると、海水面を60m上昇させるそうです。わたしの家

は海抜13mほどのところにあると思います。59僂覆虧技?任垢、60mなら確実に海底になりま

す。美幌町全体でも高台を除く市街地がほとんど水没します。オホーツク海から50キロから100キロ

あたりの内陸が、入り組んだリアス式海岸に変わるでしょう。フロリダ半島は全体が海中に没するそうで

す。南太平洋の島嶼国やバングラディシュは壊滅的な被害が予想されます。

 ベルが唱えるメカニズムは最近になって考えられたことで、まだ詳細なデータは得られていないようで

す。正しい理論なのか、氷床がどの程度縮小するのか、時期はいつか、確かなことが言える段階ではあり

ませんが、杞憂だと一蹴する根拠もわたしにはありません。いまはひとつの可能性として考慮する必要が

あるのではないかと思います。(続く)