丘陵 地震予知はできない

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 女満別丘陵の夜明けと、その一角にある朝日展望台(秋には一面ヒマワリ)から見た網走湖です。


 リンデンさん、現場からの貴重なコメントありがとうございました。わたしの持論は、同一労働同一賃

金にもとづく、非正規雇用者の待遇改善です。“divide and rule”(格差をつくって対抗させ、足の引っ

張り合いをさせるのが、支配の秘訣)を信奉する強者が多いので、実現までの道は遠いかもしれません

が。


地震予知はできない〕

 大地震発生の何分か前に警告を周知させるため、自動的にスイッチが入る装置をテレビ製作者に義務付

けたい、というような話を聞いたことがあります。わたしはばくぜんと、「それはいいことだ」と思って

いました。でも塩谷喜雄さんの「科学世評(日経サイエンス07・3月号)」が言うとおりなら、おめでた

い感想だったということになります。

 彼の主張をわたしなりに要約すると、こんなところでしょうか。世界の地球科学者の常識では、地震

直前予知はおまじないや占いの類とみなされる。ところが日本では、「学者が集まる判定会議で直前予知

をして、それを受けて内閣総理大臣が警戒宣言を発し、行政の命令で避難や工場の操業停止が粛々と行わ

れる、などという安手のテレビドラマみたいな筋書きの大震法がいまだに東海地震対策の柱なのだ。」地

震対策の王道は備えと覚悟だ。阪神・淡路大震災では犠牲者の八割以上が建造物による圧死だったのに、

予算欲しさにこんな法律を許す日本の科学風土が、建物の耐震強度の決定的な不足をもたらしている。こ

の法律成立に一番熱心だったのは当時の防衛庁だ。政府が危機的状況を判断し、私権を大幅に制限し、非

常大権ともいうべき権限を握る。有事立法との絡みで、科学的根拠の乏しい大震法がいまも存在している

のではないか。

 わたしが知る限りでは、例えば、ある地域で今後30年以内にマグニチュード6以上の地震が起きる確

率は80%だ、という類の予測は科学的な根拠があるようです。データの扱い方で数字にいくらかの誤差が

出るにしても、近い将来南海・東海地震が起きる確率が高いことは事実なのでしょう。わたしも、どうし

て当該地域の大規模な都市構造改革や住宅耐震度強化が進まないのか、疑問に思うことはありました。塩

谷さんのコラムを読んで、少しわかったような気がします。先の戦争で見られた、住民の生命・財産より

「国家」を優先する思想や、目先の個人的都合による科学の大道からの逸脱も、警戒しなくては。