ヒヨドリ元気
星のしずくさん、心痛む日々ながら、あなたのバラの写真心が休まります。
健さん、仕事が終わってからのこの事態、複雑な心境ですね。
hellopapaさん、それぞれの場でしっかりがんばっている人たち、映像を見ていてもこみ上げるものがあります。
テレビを見続けて疲れた目を休めようと出かけた公園では、春めいた日射しのなかでヒヨドリが活発に飛び交
っていました。「飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば(柿本人麿の長歌の一節)」が思い浮かびます。被災者のみな
さんに、津軽海峡の波間を渡るというこの鳥の翼があったらよかったのに。
〔地震予知か恒常的防災か 〕
と見られていると、以前何かで読んだことがあります。現在の科学水準では夢物語に過
ぎないのなら、力を入れて推進してきた日本は、研究費や人的資源をムダ遣いしてきた
研究や、防災・救難や体制整備に費やしたほうが、ずっと効率的だったということで
す。「確率は高いが予知不可能」と周知されていれば、行政も恒常的な防災・救難体制
整備に力を入れるしかありません。
知してS波を警告する以上の役割は果さなかったような印象です。それだけのことな
ら、「タテ揺れがきたらそれより大きいヨコ揺れに備えろ」と、日ごろから広報を徹底
しておけばすむことです。システムは「直前予知」研究のムダ遣いの言い訳だったので
しょうか。
「首都圏直下型」の可能性はうわさ程度にしか知りませんが、南海・東南海・東海の
確率的長期地震予報は、わたしのような素人にも聞こえています。「直前予知」とちが
い、こちらはそれぞれの期間での発生確率を数値化した「正確」なものだと思います。
しかしその正確さは確率で表現されています。そのため、財界人や行政指導者にこう考
える人が多かったのかもしれません:起きるか起きないかあいまいで、起きるとしても
遠い先かもしれないのに、大きなコストをかけたらムダになるのではないか。それより
確実に発生を予知してもらい、警報が出たら緊急退避させるほうが効率的だ、と。この
種の計算に、研究費の分け前増加目当てに「予知可能」と言い出した一部研究者の思惑
(これは実現したみたい)が重なって、予知と退避の路線が重視された、これはわたしの
推測です。もし当たっていれば、ムダの削減=効率向上の掛け声と目先の利益に目がく
日本はプレートが沈み込む境界域に浮かぶ島々の連なりです。巨大地震の周期的な繰
り返しから逃れられません。近代的観測が始まってからのわずか百年余は、関東大震
思うべきではない、それが今回はっきりしました。「マグニチュード9が予想を超えて
いたから」と言うのは、研究・防災・救難体制をめぐる浅慮の責任逃れです。現実に5
00kmに及ぶ震源域が出現したのですから、とにかく今後は南海・東南海・東海の地
震連鎖の可能性を視野に置くべきです。
東北関東大震災の救難・復興に力を注ぐとともに、新たな防災体制の確立を急がなく
ては。間に合わないと日本という国はなくなります。分散型の代替エネルギー供給の体
一つです。映像からの印象では、大津波の中で比較的被害が少なく、流されず残ったビ
ルもあるようです。海岸部の建造物がどうあるべきかのヒントになるかもしれません。
災害に強い国をどう設計するか、衆知を集めなければ。うまくいけばきっと、文明崩壊
の瀬戸際にある世界に、それを回避する可能性を孕むモデルを提示することになりま
す。