はるかな島と地平線

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 cat*en*7さん、わたしも一人1500万円程度控除した残りの財産に対する相続税は、急激な累進制に

して、1億円以上は99パーセントに、などと考えています。農地などの例外は必要ですけど。結果の格

差は別ですが、出発点の格差はできるだけ均さなくては。でも大勢の世襲の議員や大臣がのさばっている

のだから実現はむずかしいね。


 羅臼では目の前に迫っている国後島も、開陽台から見るとかすかな島影です。
 
 地平線は肉眼では水平でなくわずかに弧を描いていることがわかります。しかしカメラは広角レンズで

も、微妙な曲線は捉え切れません。魚眼レンズなら可能だと思いますが、自然な曲線なのかレンズのゆが

みなのかわからなくなるかも。


 大地震は大きな被害があるのに事前警報による対応が困難な自然災害のひとつです。日本では今後数十

年間に、M8クラスが4,5回、また首都圏直下型などM7クラスが40から50回起きるとされていま

す。しかし、周期的に起きることがわかっている場所でも、今後の発生については、正確な日時、揺れが

及ぶ範囲、震度などの、正確な予知は今のところできないと思ったほうがよさそうです。最近もまったく

警戒されていなかった場所でいくつか大きな地震が起きました。いつ、どこで、どの規模でが、はっきり

しないまま対策を講じなければならない、それが現状です。

 都市震災削減工学の専門家である目黒公朗さんは、現在常識になっている地震対策がほとんど的を外し

ていると考えています(「日経サイエンス」08年10月号 茂木健一郎との対談)。すぐ火の始末、避難場所

の確認、3日分の水・食糧準備などは、重要な防災対策ではない、と。彼はこんなような話をしていま

す。阪神・淡路大震災の死亡は80から92パーセントが最初の14分間で起きている。窒息死や圧死な

ど建物被害によるものが83.3パーセント。火事の犠牲になった人が15.4パーセントで、そのほと

んどが建物などの下敷きで逃げられなかったため。実験やシミュレーションでは建物は10秒で倒壊。犠

牲は総理への情報伝達遅れや消防・自衛隊の出動体制不備が原因ではない。事後対応で犠牲者を大幅に減

らすことは不可能。

 目黒さんは最重要課題として建物の耐震性をあげて、実現する上でとても効果がありそうなアイデア

語っています。これは、触れると少し長くなりそうなので、次回に回します。いまは、わたしたちの個人

的な心構えについて、彼の指摘を紹介しましょう。これをやれあれをやるなという類の従来型の防災教育

は、思考停止させるところがあるので、自分の状況を踏まえて具体的に考えておくように、というもので

す。

 車で走行中なら道の左側で停車せよとされているが、落石や土砂崩れの危険があればそこは避けなけれ

ばならない。料理中なら、現在のガス機器は震度5以上の揺れで自動停止するので火を消す必要はなく、

熱い内容物がこぼれてやけどするのを避けるために鍋を流しに移す。家やオフィスで何が危険か、日常的

に自分がいる場所でいざというときにどう動くか、考える習慣をつけたほうがいい、という忠告です。

 ガス機器の自動停止をわたしは知りませんでした。鍋を流しになどと、いままで考えてもみませんでし

た。優れた専門知識にもとづく言葉は参考になります。紋切り型の防災スローガンは、とらわれすぎると

有害なところもありそうです。あわてず落ち着いて、自分の頭で柔らかく考えなくては。日ごろからその

練習を、ということかな。