林床に咲く 「わかった」の落とし穴
ミキィさん、アオジですね。ありがとうございました。一昨年の温根内遊歩道で見たのに、すっかり忘れていまし
た。歳ですねー。あなたはもう行かれたとか。わたしも年に数回でかけています。
そらさん、オジロやタンチョウなどの大鳥は迫力があって出会うのが楽しいけれど、小鳥もじっくり眺めていると
ほんとにかわいらしくて。
オリオンさん、息子さんから母の日のプレゼント、よかったですね。お食事はそうめんですか、こちらはまだ朝
夕食は温かいほうが。今朝はこれからカレーうどんを作ります。
エゾエンゴサクよりもっと地味だけれど、ほんの短い間1センチにも満たない花を付けてすぐに地上部が
消えるこの小さなスミレも、毎年見つけないと物足りなくて。
「わかった」が落とし穴 ?
平野と仙台平野を中心とする広域地質調査を実施し、コンピュータシミュレーションをしていた。それ
思われる伝承がある。それらを総合するとM9.0に近づき、今回とほぼ同じ規模になる。しかし3・11
震の前兆と考えられるが、当時はその可能性を指摘する動きはなかった(33頁)。
つまり今回の事態を予測する手掛かりはあったのに、研究者の業界、したがって行政も、それに注
が配置されていること―引用者)は世界でも日本だけです。」地震関連業界のこの自信。「膨大な数
率も計算されていました。その自信でしょう。
一方太平洋プレートの沈み込みが引き起こす今回のよう大地震は、確率的数値が発表できる段
階には至っていなかったようです。だとすれば、「わかってきたこと」がうれしくてそこに関心が集まり、
「わかっていないこと」のなかにあるかもしれない重大なことに警戒心があまり働かなかった、というこ
とになります。「日経サイエンス」の特集で、カリフォルニア工科大学のT.ヒートンが語っています。
「(地震についての―引用者)私たちの現在の理解について詳しく検討したなら、標準的な数々の理論
に欠陥がすぐに山ほど見つかる。地震のプロセスに関してはたくさんの大きな謎が残っている。(中
略)私たちの知識はとても初歩的で、おそらく甘いと思う。」事前にこの警戒心が日本の業界にもあっ
たら、過去の歴史記録にもう少し注意を払ったのではないでしょうか。たとえ記録が「科学的」ではな
かったとしても。
まな科学技術にも潜んでいるような気がします。「科学的」にまだわかっていなくても、文系の研究や
伝承にも、素人の心配にも、注意を払う、そういう見識の広さを研究者業界や行政に求めたいと思いま
す。貞観地震関連の記録には、今後の事態への示唆もあります。その点はまた稿を改めて。