レイプ被害者を死刑にしたがる国と日本は

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 写真は雪の朝の続きです。


 11月21日の朝日新聞パキスタンのハッド法令の記事が出ていた。この法令は夫婦以外の性行為は

すべて姦通とみなすもので、姦通は投石による死刑の対象だ。レイプされた女性の告発は、4人のムスリ

ム男性の証言がなければ成立せず、逆にその女性が姦通を自白したとされて、有罪を宣告されることが多

い。投獄中の女性の8割が姦通罪だという。死刑を懲役に変え、レイプ被害女性による告発条件を緩める

改訂が、下院で可決され上院で審理されている。だが、「イスラム教の教え」を盾に猛反発する野党の抵

抗で、この国はいまおおもめだそうだ。

 ジェンダー・エンパワーメント指数というのがあって、女性が政治・経済に参加して意思決定できる度

合いを数値化している。数字を発表しているのは国連開発計画(UNDP)である。NHKから出ている

『経済の地図帳』によると、04年のこの指数は世界一がノルウェーの0.908で、北欧五カ国はすべ

て0.8を上回っている。日本はフィリピンより下の0.531(世界38位)である。経済先進国で0.

55未満の国は他にひとつもない。パキスタンは0.416だ。日本はノルウエーとの差が37.7%

で、パキスタンとの差が11.5%である。あきらかに北欧よりパキスタンに近い。

 「行き過ぎた自由と個人主義」を非難し、「伝統・奉仕・家族・宗教心・愛国心」を教育基本法に盛り

込もうとしている人々の社会意識には、レイプ被害者を死刑にしたがるパキスタンの保守派と通底するも

のが感じられる。しかも、日本女性の中に保守的志向が強まっている感触がある。女性が女性の足を引っ

張る度合いは、日本のほうがパキスタンより大きいのかもしれない。