滝見橋の紅葉

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 健さん、たしかにシベツもテシカガも初めて漢字を見ただけでは読み方がわかりませんね。走り回って

いるうちに、道路標識の下に書かれたローマ字で覚えてしまいましたけど。


 阿寒で紅葉と言えばまず挙げられる場所が滝見橋です。白い渓流とのコントラストに風情があるからで

しょう。今年も三脚にカメラを据えてじっくり構える人がたくさんいました。わたしは手にもって歩き回

り、人垣に割り込んでシャッターを押しました。


                〔刑務所の未来〕


 10月4日放送のBS103の番組・「未来への提言」が、北欧で実施されている受刑者の待遇改善を紹介

していました。わたしの理解では、番組の趣旨は次のようなものです:いま世界の多くの国で重刑化が進

んでいる。アメリカの受刑者は国民100人当たり1人の割合になった。過剰収容で刑務所の環境は悪化

の一途だ。日本の受刑者の割合はその10分の1だが、死刑判決が増加している。

 重刑化の原因の一つは、人々に自分が被害者になる懸念を煽り立てるマスメディアの偏りである。報道

で恐怖心を掻き立てられた人々は、犯罪者をモンスターのように感じて、報復や社会からの隔離を求める

ようになった。だが懲罰的な刑務所生活は反社会性を養い、出所後の再犯率を増加させている。刑務所は

囚人同士が犯罪を教えあう学校だ。

 北欧ではそういう世界的な傾向に反して、報道は冷静である。犯罪が社会で苛酷な環境に置かれた普通

の人の行動だという理解が、裁判に参加した市民から始まって、広く浸透してきた。その結果、受刑者は

刑務所でテレビやパソコンを備えた鍵のない個室でくらし、休暇には自宅に帰ようになった。受刑者の仕

事も、人々と交流できるボランティア的なものが配慮される。受刑者は、くらしに苦痛が少なく、技能と

社会性を身につけて社会に戻れば受け入れられると信じるようになるので、刑務所から逃げたりはしな

い。出所後の再犯率はきわめて低い、など。


 サイコパス、異常者、モンスターなどのことばを聞く機会が増えています。日本には、暗黙の同調圧力

がわからなかったり、わかってもうまく順応できなかったりして、異質さを感じさせる相手は排除した

い、という気分が濃厚です。相手の精神なり人格なりに絶対的な欠陥があると思い込めば、理解する努力

なしの排除を合理化できます。犯罪被害者の報復感情は増幅されます。孤立に追い詰められた人の心に、

反社会的な衝動が宿ることもあるでしょう。こういう悪循環に、マスメディアの偏りがどれだけ責任があ

るのかは、わたしにはわかりません。とにかく断ち切る努力は必要です。

 番組は「人間はすべて人間である」という言葉で締めくくられていました。開始された裁判員制度が、裁

判に参加したふつうの人に、この言葉の意味を実感させる効果があるといいのですが。平均すれば、高収

入の報道者や法エリートよりは普通の人のほうが、犯罪者が育ったり置かれていたりしていた環境に近い

ところにいる思いますから。