雪消え残る峠道

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芝桜公園から、藻琴山の登山口を抜けて、藻琴山展望台に立ち寄り、川湯から屈斜路湖沿いを行き、美幌峠に出る道を走りました。藻琴山と美幌峠の付近にはまだ路傍にかなり雪が残っています。行きかう車は少なく、陽光の山岳道路を独り占めの気分です。散り残った山桜も、黄色の勝った白樺の若葉も、まだ芽吹く前の枯れ枝のような木々もあります。藻琴山展望台から見る屈斜路湖(写真)は、美幌峠から見るのとはちがった趣です。硫黄山の一部も見えました。この、湖畔から知床峠に至る、屈斜路湖摩周道路は、北海道のなかでもとりわけわたしのお気に入りの道です。

砂湯に立ち寄りました(写真)。かなりの人数の子どもや若者たちとここに来たのは、6年前だったでしょうか。秋も深いころでした。観光客が掘ったと思われる湖畔の砂にできた穴には、相変わらず温かい湯が湧いています。何捜か遊覧ボートが浮かぶ早春の湖面は、わずかにかすむような気配がありました。
 
美幌峠を下りて田園地帯に入ってから町までの10キロ弱は、広い道に白樺並木が続きます(写真)。いつまでも走っていたいような気もしますが、あと10分もすればわが家です。もう埼玉で仕事が待っているわけではありません。いつでもまた来られると思えば、小さな旅の終わりもいいものです。