おだやかな朝焼け
そらさん、栽培花はにぎやかなものが多いけれど、野山に自生している花は一人静かに何かつぶやいている
ような風情がありますね。
太陽が顔を出す前、東の空がつかの間おだやかな茜色を見せてくれました。日没直後に西空に現れる炎のよ
うな輝きとは少しちがいます。日の出が早く日没が遅い春夏とちがって、目覚めてしばらくしてからと夕食前に
空が染まりますから、晩秋から冬にかけては茜空に目を引かれる日が増えます。
定年後に庭木の仕事をしたている近所の人が、仕事先で大量にもらったからと、たくさんのコクワの実をおす
そ分けしてくれました。ビンに入れた果実酒も一緒で、漬け方も聞きました。でも、生の実を一粒口に入れたらお
だやかな甘みと酸味が後を引いて、結局漬けたのは半分以下です。サルナシとも呼ばれ、かつては日本全国の
野山にたくさん自生していたのに、今ではあまり見かけなくなったそうです。もらったのは自宅周りに垣根のよう
に仕立て、世話をして収穫したものだとか。店で見かけることのない野生的な果実です。名前は知っていました
が、実際に味わったのは初めて。