たそがれどきの雲
タムラ、君にもらった『北海道の樹』には3種のツリバナが載っています。オオツリバナとクロツリバナは実が球
形と書いてあるのでちがうようです。残るヒロハツリバナの実は「横にはりだした4つの翼がある」とされているの
で、これかもしれません。載っているのは裂けてタネが出ている写真です。その前は四面体に見えるのかな。
サイタマンさん、こちらに来るまで、子どものころと山歩きしていた二十歳前後を除いて、森歩きの機会があり
ませんでした。いまは探索路があって気軽に出かけられる場所を5,6箇所見つけました。何気なく歩けばみん
な似たように感じるかもしれませんが、山間の雰囲気だったり林床が湿地だったり個性があります。見かける鳥
や植生も少しずつちがっていて、それぞれに楽しめます。
どの季節にも空を見上げればたいてい雲があるけれど、秋の雲はとりわけ風情があるような。今日の写真はた
そがれていく空でどんどん色合いが変わる様子です。いまの時季、日が沈む西の空は雲が厚く、東には小さく
千切れた雲、その間に薄雲が広がるのが、晴れた日の典型的なパターンです。
昨日、壁と屋根の補修をしてくれた釧路の職人さんに来てもらって、代金の支払いをしました。工事中の10日
あまり、留守をした1日を除いて、わたしが作るお昼ごはんに付き合ってもらっています。離婚経験のある独り身
(交際している人はいる)とかで、わたしの手抜きのへたくそ料理を喜んでくれるので、せめてもと思い毎日ちがう
麺類や丼ものを用意しました。とれすぎて困っている野菜も喜んでもって帰ってくれました。そのお返しのつもり
があったのか、頼んでいなかった物置の屋根の破れまできちんと修繕してあり、昨日はわたしが普段口にするこ
とのない高級なお酒を二本もってきてくれ、さらに支払った代金の一部を返してくれました。
長い冬はほとんど働けず、くらしはけして楽ではないようで、道内東半分のどこにでも通って仕事をしているよう
でした。釧路から美幌まで毎日のガソリン代もかなりかかったはずです。それでもわたしの金策が付くまで、催
促なしで気持ちよく支払いを待ってくれました。ちゃんと契約書を交わしたわけではなく、なんとなく始まった工事
です。埼玉でなじみになった工務店の社長もそうでしたが、詳細な見積もりを出して契約書を交わす関係より、
なあなあみたいなあいまさのほうがわたしは好きです。危険もあるのかもしれませんが、人間的に親しみを感じ
た職人さんを信頼して、これまで大ケガをせずに来ました。ラッキーな人生なのでしょうね。