屈斜路湖の青い湖面

　ミキィさん、雲は別ですけど、風景はゆっくり構図をきめられる分だけ、鳥や動物より楽な気がしま

す。ところで、あなたの満月写真に表面の濃淡が見当たりませんね。わざと消した？


　水の惑星、それが地球。水あるところ緑あり、緑の世界には数かぎりない虫や動物が潜んでいます。ヒ

トも水と緑から始まる連鎖の一つ。わたしたちの心が水ある光景になごむのは、水に倚って進化した３０

億年余の記憶が身体に刻まれているから？乾ききった岩と砂の大地、液体の水などあるはずもない灼熱の

星、そういう映像はよそよそしい異界の印象をもたらします。

　噴火した有毒ガスが水に溶け、魚を寄せ付けなかった屈斜路湖も、藻琴山を筆頭とする緑の大地が浄化

した真水の流入で速やかに甦り、いまはたくさんの釣り人を喜ばせています。湖水は釧路川となってゆっ

くり流れ下り、広大な湿原を潤して多様な生命を育んでから太平洋に至り、豊かな漁場をつくります。空

と緑を映し深い青に染まる湖水をじっと見つめていると、そんな感慨にとらわれたりもします。

　温水の湧く砂湯の澄んだ水は、－３０度近くなることもある冬にも凍らず、湖面を埋める白鳥などの水

鳥が厳寒の季節を乗り切るよすがになります。