山を映す知床五湖 その有料化

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 近年は熊が出るため、知床五湖周回コースが開かれている日は少なく、たいていは一湖だけとか、二湖

までとか規制されています。ここ20年ほどの間に5,6回は訪れていると思いますが、そのうちで五湖

すべてが回れたのは今度の6月10日だけです。二週間ほど後にもう一度行った時は、二湖まででした。

40年ほど前には危険だなどいう話は聞かれず、わたしも自由に入っていました。

 わたしが周回するのはこれが最後かもしれないと思っています。体力のことではありません。来年あた

りから入山システムが変わって、高額の料金が必要になる可能性があるからです。先月25日までの3日

間、新しいシステムを試すモニターツァーが行われました。参加したいと問い合わせたら、一人3500

円から5000円の参加費とのこと。

 熊が出て来そうでも閉鎖せず、情報連絡を受けながら危険対処できるガイドが引率して、1回20名ま

でを入らせる、それ以外は入れず、高架木道から一湖を見るだけにしてもらう、というやりかたです。料

金に差があるのは、ガイドの所属する会社ごとに決めるからだそうです。この料金ではわたしは参加しま

せん。

 閉鎖の日が多い、人が増えて自然が荒らされる危険がある、などの理由は理解できます。有料化はやむ

をえないと思います。外国の自然公園にも多いようです。でも、どこでもこんなに高額なのでしょうか。

熊監視システムやガイドの人件費などのコストを参加費で賄おうとすれば、こういう金額になるかもしれ

ません。民間会社のビジネスとして成り立つようにという思惑でもあるのかなー。

 公園レンジャーが公務員として身分を保証され、公費から経費が支出されている国のことだと思います

が、テレビで見た番組で、トレッカーが払う料金が安いという印象を受けたことがあります。内需主導の

経済に転換するためには、自然のなかのレジャーはだいじな産業になります。でも国立公園管理が利潤最

優先の民間企業に委託され、利用が少数の豊かな人に限定されるとしたら、経済構造のゆがみに拍車がか

かります。

 国立自然公園は、特に若者を中心に、たくさんの人々に自然と人との関係を考えてもらう役割もありま

す。その周辺にさまざまな工夫を凝らし、懐に応じてお金を使ってくれる観光客を誘致するビジネスが発

展することは、いいことだと思います。しかし公園の維持管理自体はあくまで公共的に行われるべきでは

ないでしょうか。