翼輝く鳥の群
丘の切れ間から射す朝陽が、引き潮の青い汽水湖に浮かぶ水鳥の羽の白を際立たせ、舞い飛ぶ群の翼を
輝かせます。街を離れ広がる風景のなかに身をおくと、「自分」の輪郭が融けて安らぎが残ります。遺跡
を残したいにしえ人の時代からいまに至るまで、この風景に憩う人が絶えなかったことでしょう。
都会から移り住んでしばらくは、美しいものを「自分も見た」という満足が勝っていたような気がしま
す。「美しいとされる」野山の花、光る海、白くそびえる山の定型をたどる喜びのような。他人の表現を
介して向き合っていたので、自然に溶け込む心の安らぎが隠されていたのでしょうか。
「観光」には、ここでこういう感動をしなさいという、お仕着せの匂いがあります。最近になってやっ
と、自分をくくる「」が薄れてきて、いま風景のなかで何者でもなく在る、が心の正面に来る瞬間にも気
づくようになったのかな。「観光客」を脱しつつある?それでもカメラを手にするとまだ、「これは絵に
なる?」が先立ちます。
輝かせます。街を離れ広がる風景のなかに身をおくと、「自分」の輪郭が融けて安らぎが残ります。遺跡
を残したいにしえ人の時代からいまに至るまで、この風景に憩う人が絶えなかったことでしょう。
都会から移り住んでしばらくは、美しいものを「自分も見た」という満足が勝っていたような気がしま
す。「美しいとされる」野山の花、光る海、白くそびえる山の定型をたどる喜びのような。他人の表現を
介して向き合っていたので、自然に溶け込む心の安らぎが隠されていたのでしょうか。
「観光」には、ここでこういう感動をしなさいという、お仕着せの匂いがあります。最近になってやっ
と、自分をくくる「」が薄れてきて、いま風景のなかで何者でもなく在る、が心の正面に来る瞬間にも気
づくようになったのかな。「観光客」を脱しつつある?それでもカメラを手にするとまだ、「これは絵に
なる?」が先立ちます。