大雪高原温泉色彩の饗宴
とうございます。いま、戦争に向かう時期に日本の文化人たちが集まって論じた「近代の超克」につい
て、アメリカ人が書いた本を読んでいます。わたしは東京・埼玉の街になじめず、美幌に移住して「自
然」を満喫している田舎人です。老いとともに自分の中で、「魚沼のチベット」と称された山間で過ごし
た少年期に回帰する、ノスタルジーが強くなったようです。でもこの本から、日本人の「自然」に託する
思いには警戒すべきところもあると、あらためて考えされています。同じように「自然をだいじにする」
でも、例えばフィンランドなどでは、生活の中で自然との共存を築く積極性が感じられます。国家形成後
の日本では、社会的現実から逃避する情緒的な対象という意味が加わったたようです。この意味が、侵略
戦争に走る国家主義者に回収されたのかもしれません。自戒をこめて、考えなければと思っています。
kkknkawai3さん、コメントありがとうございます。道内では紅葉がはじまったばかりのところも、大
雪山銀泉台のようにすでに落ち葉になってしまったところもあります。
今日の写真はちょうど最盛期と出会うことができた大雪高原温泉の彩です。銀泉台と同じくここでも、
9月半ばから月末まで、車の乗り入れが禁止され、シャトルバスが運行されていました。行ってみて理由
がわかりました。乗用車がかろうじてすれ違える細い砂利道なのです。たくさんの車が入り込んだら、身
動きが取れなくなります。
高原温泉は、大雪山系紅葉名所のひとつ・沼めぐりの出発点になる、稜線に囲まれたすり鉢状の場所で
す。稜線の先はすでに紅葉が終わっているので、車の乗り入れが解禁されました。でも、温泉周辺はいま
が盛りです。この日もたくさんの人が来ていました。山小屋風の温泉宿の入り口には、長靴貸します60
0円、と書かれています。腰の熊よけ鈴を鳴らしながら、長靴を履き、リュックを背負って歩く若い女性
がいます。三色の彩りに囲まれて食べるおにぎりがとてもおいしかった。また行きたい場所です。