カボチャを割ってタネ埋めて

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 峠から見た藻琴山です。
 

 今年収穫したカボチャは新聞紙をかけてサンルームに保存しています。すでに2個は食べて残りが4

個。お昼にポタージュを作ろうと思って、3個目をぶら下げて台所へ。出刃包丁を入れて二つに割り、タ

ネを掘り出してゴミバケツに捨てたとき、なんだかはっとして急に手が止まりました。あれっと思ってバ

ケツを覗いたら、わりとしっかり実の入った種が見えます。これでした。捨てるときに触った手が気づい

たんです。これを植えたらいいんじゃないかと。

 種を採ることなんかすこしも考えていませんでした。ポタージュ作って、ソーセージゆでて、あと野菜

ジュースにパン、意識は食べることだけだったんです。でも手の感覚が思い出させてくれました。認知心

理学でいう物によるアフォーダンスですかね。食事の準備は中断、バケツを探ってゴミの中から種を拾

い、水道で洗いながら、乾かしたあとどこに保管しようかと考えていたら、今のうちに土に埋めたらどう

かと思いつきました。

 春にわたしが買ってきて埋めた種から芽を出したのはけっきょく2本で、残りは庭の別なところに勝手

に生えて来たのを、植え替えたものです。前に住んでいた人がコンポストに捨てたのが芽生えたんでしょ

う。ならば土のなかで冬越えさせてもいいわけです。でも今年は花が咲くのが遅く、しっかり充実する前

に寒くなってしまったことを思い出しました。そこで、鉢の乾いた土に埋めてサンルームに置き、春の陽

射しが感じられるようになったら湿らせ、苗がある程度育ってから庭に下ろすことに決めました。

 カチンカチンの土を入れたまま軒下に放り出してあった鉢を拾って、土を砕き、下皿を探してサンルー

ムに入れ、台所から種を持ってきて埋め終わるまで、けっきょく小一時間かかり、お腹はぺこぺこ。それ

からカボチャをゆでてポタージュにしたのですから、そりゃーおいしかった。なにしろ空腹は最高の調味

料ですから。