きのこ採りのおすそ分け

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 シメジをもらい、バター焼きにしました。一食には多すぎると思っていたのに、気がつくとひとつも残っていません。香りマツタケ味シメジ、という言葉がありますが、天然のシメジは本当においしい。「きのこ採りに行ったのですか」と聞いてみたら、もらいものだそうです。山に入った人からもらって、おすそ分けしてくれたようです。
 別な人からですが、前にも「人からもらったものだけど」と、山ぜりをおすそ分けしてもらったことがあります。シャケは自分で釣ったものを、賀茂ナスとアスパラは庭で育てたものを、分けてもらっていました。わたしは迷惑かなと心配しながら、庭の食べきれないトマトを配りました。美幌に来てから、家庭菜園の収穫や海山の恵みのおすそ分けという形で、無償の贈与を交換する経験をしています。
 埼玉にいた頃、子どもの勉強を手伝う生業をしていた関係で、お歳暮やお中元などに贈り物をもらうことはありました。自分たちの手で収穫して、ビニール袋に放り込んだり新聞紙に包んだりした物をもらうのは、お金で買ってきれいに包装したものを贈られるのとは、まったく気持ちがちがいます。贈る人の気持ちもちがうでしょう。
 商品経済が浸透する前の社会では、こういう、金額で比較されることのない、無償の贈与の交換があたりまえに行われていたのでしょうね。バングラディシュは、現金所得でいうと、世界で最も貧しい国のひとつでしょう。それなのに、生活満足度の国際比較で、この国がトップに来ている調査をみたことがあります。金銭に換算されない無償贈与が交換される社会には、現代都市生活から失われた何かが残っているのでしょうね。

 今日の写真は美幌の秋空の続きです。