白い阿寒湖

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orion*.:‘さん、いま窓の外で土手越しの空に茜色が深くなってきています。あなたの写真でゴルフ

練習場の網越しに見える夕焼けもきれいでした。どこにいても日が昇り日が沈みます。


 まりさん、そちらは春の嵐だったんですね。おぼろ月のお写真で、なぜか源氏物語の世界が懐かしくな

りました。


 移り変わる阿寒湖の四季のなかで、わたしが一番好きなのはやはり、白が主役になる冬です。厚い氷の

上に積もった雪に、スノーモービルがまっすぐな線を引いていました。今なお活動中の火山帯の一画です

から、ここの湖岸にも湯煙が上がり、硫化水素や高温の泥が湧き出すあたりは危険防止の柵が回されてい

ます。熱で氷が融けている部分があって、蒸発した水分が木々を氷の華で飾ります。背景の雪山は雄阿寒

岳です。

 阿寒、摩周、屈斜路三湖とその周辺の山々は全部、地下からマントルが上昇するホットスポットになっ

ているようです。北米のイエローストーンなどとともに、いつかは巨大噴火(ビッグ・エラプション)を起

こす場所ということです。そのときイエローストーンなら北本米大陸の大半で、ここなら北海道はもちろ

ん本州の東半部まで、大型動植物が大量に死滅するのでしょう。地球はまだまだ若い荒らぶる星です。

 見えている風景は穏やかですが、長い年月をかけて静かに大爆発のエネルギーを蓄えているのかと思う

と、不気味さも感じます。それも冬だからでしょうか。命の輝きが満ちている春や秋は、荘厳さより暖か

さが勝るような気がします。