寒風の雪原 『46年目の光』 4

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 まりさん、ドイツ風ホットケーキをご自分は食べなかったとか。カロリーが気にかかるわたしにもちょ

っと目の毒。


 きのう朝7時半ごろガレージの温度計で-12度ほど。30分余で能取岬に到着しました。風の岬です

から、晴れているのに体感温度は-20度近くて。備えていたので寒さはだいじょうぶでしたが、崖近

くに立つとよろけるほどの風圧です。

 流氷はまだとわかっていて、オオワシが目当て。でも、海上遠くに一羽、車にいるとき頭上を通過

したのが一羽。けっきょくカメラに収めることはできませんでした。それで今日の写真は岬の雪原です。

成長しつつある海氷なども撮りましたので、いつかアップします。

 家に着いて車を納めるときにまた確かめたら、温度はプラスになっていました。


              〔『46年目の光』4〕

 幹細胞と角膜の移植手術後にマイク・メイが経験する受難をたどる前に、本書の後半で多くのページが

費やされている、視覚認知についての科学的な説明をできるだけ短くまとめておきましょう。

 眼球の奥にある網膜に像が届いただけではまだ何も見えていません。脳に達した視覚的データに、「世

界とそこに存在する物体に関する事前の知識」を、「瞬間的・自動的・無意識的に」当てはめて (352頁)

はじめて、わたしたちは何が見えているのか了解します。ですから生まれたての赤ちゃんには世界が、

「意味不明の図形の巨大な集合体に見えているはず」(359頁)です。

 赤ちゃんが「知識」を獲得する方法はただ一つ、対象に手で触り、それで遊び、味わい、臭いをかぎ、

音を聞くことです。(本書には書かれていませんが、触覚・嗅覚・聴覚は出生前に成立しているようで

す。)子猫を使った実験で、視覚認知を獲得するには、受動的な体験ではだめで、自分が主体的に世界

にかかわることが必要だと確認されました。(361・2頁)赤ちゃんは、動きがわかるようになるまでに生

後2週間、色は2ヶ月(377頁)、顔の表情を完全に読むまでに5年以上(365頁)必要だと、著者は考えてい

ます。(続く)