ウグイス撮れた

　ホー ホケキョ、ケキョケキョ。山道、野の小道、湿原の木道、５月から７月にかけて歩いた、いたる

ところで、美しい鳴き声はたっぷり耳にしました。でも、すぐ脇の草叢や木立から聞こえているのに、立

ち止まっても場所は確かめられませんでした。たまに薮から薮へ飛び移る瞬間には出会いましたが、あ

まりにすばやくすぐに身を隠すので、色形をじっくり見ることはかないません。ましてカメラを構える余

裕などはとても。

　６月２５日、快晴の釧路湿原温根内の遊歩道で、はじめてウグイスを撮ることができました。木道から

旧軌道敷跡に入って、おびただしい囀りのなかをしばらく歩いた後です。先行する他のパーティーの男女

が立ち止まって、木の上を覗っています。もしやと思い、足音を立てないように急いで追いついて視線の

先をたどると、いましたいました。珍しく撮っている間ずっと飛び立ちませんでした。まるで、自分の歌

声に酔って、周りのことなど気にならないみたいに。

　見上げる角度ですから、腹側しか見えませんが、白っぽくてすっきりしています。チィ、チィ、チィと

いう笹鳴きの幼鳥は、もっと褐色がかっていたような気がします。この鳥は囀りの師匠になれるくらい

堂々たる歌いぶりでしたので、明らかに成鳥です。すぐいす色とまではいきませんが、思っていたほど汚

い色ではありません。