とつぜん冬にあと戻り
「春の雪」なんてゆるいものじゃないね、これは。春の舞台がとつぜん冬の場面に。どんでん返しみた
いな感じ。むかし春山に登ったときは、予め覚悟していたからあまり驚かなかった。だけどここは山じゃ
なくて平地だよ。そうか、山でくらしていると思えばいいんだ。日ごとの気温差も晴雨の急変も、山なら
あたりまえだもの。
きれいだからわたしはここの冬が好き。枯れ草枯れ木の味気ない晩秋の日々には、早くきっぱりした冬
になれよ、と思う。だけど、エゾムラサキツツジが咲いている春がいきなり雪の冬に暗転だよ。華やかな
季節への期待に水をさされて、気持の行き場がなくて。先にしか進まないはずの時間がいきなり後ろに進
んだみたい。
「温暖化」って、規則的に暖かさが増すことではない、気温の振幅が大きくなって気候が荒々しくな
り、平均をとってみれば気温が上昇してるということ。それは理屈ではわかっているけど、それでも実際
に体感するとやっぱびっくり。
きのうの夕方のように明るい日が照ってどんどん雪が融けると、もうすぐ五月なんだって思い出す。で
も今は、どんよりした空の下、雪に覆われた空き地でまたベニヒワが遊んでいたりするから、まだ春の気
分に戻れないよ。
いな感じ。むかし春山に登ったときは、予め覚悟していたからあまり驚かなかった。だけどここは山じゃ
なくて平地だよ。そうか、山でくらしていると思えばいいんだ。日ごとの気温差も晴雨の急変も、山なら
あたりまえだもの。
きれいだからわたしはここの冬が好き。枯れ草枯れ木の味気ない晩秋の日々には、早くきっぱりした冬
になれよ、と思う。だけど、エゾムラサキツツジが咲いている春がいきなり雪の冬に暗転だよ。華やかな
季節への期待に水をさされて、気持の行き場がなくて。先にしか進まないはずの時間がいきなり後ろに進
んだみたい。
「温暖化」って、規則的に暖かさが増すことではない、気温の振幅が大きくなって気候が荒々しくな
り、平均をとってみれば気温が上昇してるということ。それは理屈ではわかっているけど、それでも実際
に体感するとやっぱびっくり。
きのうの夕方のように明るい日が照ってどんどん雪が融けると、もうすぐ五月なんだって思い出す。で
も今は、どんよりした空の下、雪に覆われた空き地でまたベニヒワが遊んでいたりするから、まだ春の気
分に戻れないよ。