波がおっかけっこ

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 高台に佇んで走る波を見ていると退屈しません。たしか白波を白馬にたとえる表現があったような。白馬の群

れが追いつき追い越そうとかけっこをしている、そんなイメージでしょうか。岸近い海水が氷混じりになると速度が

落ちて、のたりのたりうねる感じになります。波の追いかけっこは冬のはじめ、波が高くなって白さが際立つ一時

期の風物のような気がします。

 ずっと前のことですが、何度か越後の海岸で冬の日本海を眺めた記憶があります。この写真とはちがって、獰

猛な巨大怪獣がたけり狂っていた印象です。になしろ砕ける前の波の壁が、ちょっとしたビルほどにも高かったよ

うな。遠い記憶だから規模が誇張されているのかな。こちらでは背丈を越すような波が打ち寄せるところは見て

いません。嵐の日には行かないからかも知れないけれど。とにかく高台からオホーツク海を見下ろしていると、気

持ちが伸びやかになります。