湿原のワタスゲ

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 北海道には、6月後半から7月にかけて、ワタスゲの見られる場所がたくさんあります。なかでも広が

りの大きい霧多布湿原は見応えがあります。写真は道道123号線沿い木道からです。ほんとうは湿原セ

ンターから海岸方向に伸びるMGロードからの景観が最高なのですが、平原を貫く直線道路を駆け抜けるの

が気持よくて、つい車を停めそびれてしまいました。

 花は地味で注目されることはないのに、種を包む綿毛になるとその白さが人目を惹きます。内地で山を

歩いていたとき、標高の高い湿原や沼のほとりでときどき出会いました。低地の草原にも大群落が広がる

のは北海道ならでは。別寒辺牛湿原、厚岸、火散布、霧多布と、海面よりたいして高くない広い範囲で、

泥炭が堆積する高層湿原が連なっています。

 別寒辺牛は標茶町の東部です。この町の西方は湖沼地帯を経て釧路湿原に続いています。こうして見る

と、東北海道太平洋側は全体が湿地で、点在する比較的堆積が進んだ場所や丘に人が住み着いている、そ

んな感じです。気温が低いのでさわやかですが、そうでなければ湿気に悩まされることでしょう。津波

洪水の被害が出やすい地形みたい。その点では、地震が少ないオホーツク地方のほうが安全かな。

 同じ湿地でも釧路湿原のわたしが歩いた場所では、霧多布ほどにはワタスゲが広がっていませんでし

た。むしろ葦原や低木林が目立ちました。霧多布湿原の方が若いということでしょうか。