霧多布湿原の風景
が、実際に作業を始められたのは10時過ぎでした。
写真は6月24日の霧多布湿原を湿原センター方向から撮ったものです。面積は釧路湿原ほどではあり
ませんが、それでも海岸線に沿う幅は9キロ、奥行きは3キロあります。花はこちらの方が多く、人を寄
せ付けない厳しさがないので、親しみやすい感じです。前の週に雨がふったためか、センター周辺の木道
は水面すれすれでした。5千年前には海の底だったとのことで、比較的新しい湿原のようです。緯度は網
走より南ですが、気温はむしろ低く、花々の開花も半月ほど遅いような気がします。この低温で枯れ草の
分解が進まず、湿原が形成されたのでしょう。この日美幌は気温が28度前後になっていますが、ここ浜
中町では快晴にもかかわらず、岬の崖に立つと、上着のジッパーを閉じても震えるような冷たい風が吹い
ていました。
3千年ほど前、湿原ができたばかりの頃はどんな光景だったのでしょう。一時は牧場になったりして、
昔とは変わった所も少なくないと思います。でも、まだまだかつての面影が失われ尽くしてはいないよう
です。トラスト運動が行われ、牧場を買い取って湿原に戻す活動が行われているのは、とてもうれしいこ
とです。センターからは海岸に並ぶ建物とともに、琵琶瀬湾に浮かぶいくつかの島を見ることができま
す。右手の長方形に見えているのは瞼暮帰島で、珍鳥のエトピリカが棲息しているそうです。その隣はそ
の名も小島で、やはりたくさんの海鳥が繁殖しています。