人と国のしあわせな関係

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前回の写真の花の名前を教えてくれたコメントありがとう。わたしも次の日のフリーペーパー『経済の伝書鳩』で、この花の名前を見つけました。その記事によると、延齢草は「10年以上もかけて開花する希少な花」だそうです。今後も名前を書かない花の写真で、名前のわかるのがあったら教えてもらえたらありがたい。

四週間近くかけてやっと上下二巻の小説を読み終わりました。福井晴敏の『OP.ローズダスト』という本です。年はとりたくないもの、14歳のとき『戦争と平和』を読みましたが、このときは食事以外まったく中断せず、27時間ほどで一気に読みました。眠っていませんから頭もうろうでした。もうあんな元気はありません。2時間読んではパソコンに取り付き、ドライブから帰って1時間という具合で、よたよたよたよた。
トルストイほどすぐれた作家とは思いませんが、福井さんも、「愛国者」でも戦争マニアでもないわたしに、途中で投げ出させないだけの魅力はあります。この作品も、似たようなテーマの、村上龍の『半島を出よ』よりいいと思います。福井さんの過去の作品は全部読んでいますが、この作品で彼のモチーフがはっきりしたような気がしました。
  (国よりも人がだいじ。この原則を鉄の意志で貫くための人のつながりを形にしたものこそが国。指導者がそれをわかり、それを実行している国では、国民はそのような国家を護り維持するためになら自分の意志で命もかける。自分の恋人、家族を護ることと国を護ることが、掛け値なしに、渾然一体になる。人と国のそういう理想の関係を鏡として眺めたとき、戦中も戦後もいまも、日本という国には絶望的にならざるをえない。それでも、身近でささやかな人と人のつながりに希望をつないで、絶望と戦いながら可能性にかける。)
わたしが解釈した彼のモチーフはそんなところです。

今日の写真は、美幌川沿いのパーク・ゴルフ・コース脇の土手に咲いた花です。