大雪国道の多彩な季節

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 「未生(みしょう)」という言葉が思い浮かびました。「まだこの世に生まれていない」という意味だそうです。厳密には胎児にもなっていないことかもしれませんが、誕生以前と解釈して、わたしは未生の孫に会いに北陸へ出かけた、と言っておきます。
 5時間以上かけて美幌から札幌までバスで行きました。旭川までは国道39号線です。大雪山系を抜けることから、「大雪国道」と呼ばれます。北見、留辺蕊、温根湯などの平地では、桜が終わり、点在する農家をチューリップ、山吹、芝桜、ツツジなどの彩りが包んでいました。バスが高度を上げると、少しずつ季節が前にさかのぼります。20から40センチに伸びて食べごろの蕗が、崖や川筋を黄色に飾る蕗の薹になり、水芭蕉は大きな葉の塊から、しぼんだ苞へ、可憐な白い花へと変わります。沢に消え残る雪が多くなって、木々の間からまだ寒そうな大雪湖が見えました。切り立った岩の断崖は層雲峡の名物ですが、その下部には若葉の間に山桜が点在します。旭川から道央自動車道に乗ると、ふたたび季節が進み、田植えの準備ができた田が広がっていました。
 大雪国道は旅行者に人気があり、ネットにさまざまな画像がありますから、その気になったら検索してみるといいかも。わたしの写真は大雪山の遠景と大雪湖です。