上川盆地

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 旭岳の高原に行った日、次の日に旭山動物園を予定していたので、旭川市の郊外に位置する上川町のキトウ
 
シ高原ホテルに宿泊しました。小高い丘の中腹に建っていて、上川盆地が一望できます。羊のいる囲い、ゴーカ
 
ートのコース、長い滑り台などがあって、子ども連れにはいい場所でした。さらに奥まで車で登るとお城のような
 
展望台をもつ公園があります。ここのカエデは八月初めにのにもう紅葉がはじまっていました。
 
 
 民主党の新党首が決まりました。観客の心を励ますところのないつまらない政治ドラマの一幕。ただ、古い政
 
治が機能しなくなっているという感興はあります。金と恩=奉公関係で派閥を大きくして、政=官=財の既成勢
 
力内部に権力を浸透させ、権謀術数で人を操って政治をする、小沢一郎はそういう旧政治最後の大物という役
 
どころだったようです。
 
 他の候補はすべて親分としては小粒です。そのなかの一人が勝ちました。親分政治の破綻です。そして、総選
 
挙で旧来のしがらみのない票を集める上で有利そうな帽子をかぶりたいと、離散集合しました。次回選挙への影
 
響が最優先ですから、広く大きな視野に立って現状を改革するビジョンなどは出てきません。ポピュリズム政治
 
です。
 
 菅前首相が不人気だったのは、ときには思いつきのようにいいことも言うけれど、党内をまとめ官僚を動かして
 
実行する能力がない、という評価がいきわたったからのようです。いきわたらせたのはマスコミ。彼らは破綻した
 
大親分政治の幻想にとらわれていると思います。
 
 野田新総理が「実行力」を見せるには、小沢派にすり寄り自民・公明と野合するしかないでしょう。政=官=財
 
既成勢力の要求が通りやすくなるということです。小沢一郎が自分の復権を求め、自民・公明が選挙で勝つこと
 
を優先して一切協力しなければ、新内閣はやはり「無能」ぶりを披露することになります。復興、財政再建など緊
 
急な課題があるので政治の低迷は不安ですが、政治が既成勢力の利害で動く旧体制復活も困ります。
 
 そして一番怖いのは、英雄待望の気分が高まって、カリスマ性のある政治家が問答無用の強権に近づくこと。
 
大阪や名古屋では少しそんな兆しが感じられます。焦りを抑えて、親分政治とポピュリズムの葛藤が深まった先
 
に、ニューメディアなどで熟議デモクラシーが育つのを待つしかない、それが今のわたしの心境です。