山の花 (前)
野の花も好きですが、高い山に咲く花はもっと好きです。高山植物には盛夏の野草に感じられる猛々しさがあ
りません。花は楚々としていながらりんとした雰囲気をまとっています。姿見の池探勝路のエゾノマルバシモツケ
ざやかでした。イワブクロ(次の二枚)も礫や砂利の上を這うようにして葉を茂らせ花を咲かせています。白っぽか
ったり青が強かったりするのは、土壌成分のちがいでしょうか。
下界のサクラソウ類は6月中に散るのに、探勝路のエゾコザクラ(5・6枚目)は8月に入っても赤紫が残ってい
的です。
コケモモ(最後の写真)はわたしが最初に名前を覚えた高山植物の一つです。寒いところだと平地でも生えるの
かもしれません。でも、美幌に近いところでわたしが目にした場所では、藻琴山の中腹海抜700メートルが一番
低かったと思います。若いとき知床の山で実を味わったことがあります。もう一度口にして見たいと思っています
が、国立公園内でははばかりがあって。フィンランドでは、公園でも私有地でも、ベリー類やキノコは自由に摘め
るようです。