透きとおる尾翼
息子夫婦と孫二人にわたしの5人が、小さなボロ車に乗って、濤沸湖白鳥公園に行ったときに撮った写真で
す。この地方に特徴的な、凍て空が明るく晴れた日です。白鳥には少し食傷気味で、シャッター・チャンスはあま
り期待していませんでした。でも、動き回る子どもの後を追いながらぼんやり辺りを見回しているとき、上から光
を受けて飛ぶカモメの透明な尾翼に気づいて、撮りたくなりました。
遠い空を飛ぶオジロを望遠で追うのとちがって、目の前を通り過ぎる一瞬を、それも尾翼が透きとおる角度か
らとらえてシャッターを押すのは、わたしのウデではとてもむずかしいことです。並んだ尾翼が白く輝いている一
番美しいシーンは、けっきょく撮れませんでした。一羽に絞って追尾しても、嘴が切れたり翼がはみ出したり。全
体をフレームの中に収めることができたのは、離れた鳥を狙ったときだけ。