葦原蕭(しょう)条
そらさん、お正月の美幌に息子の一家を迎えるのは実質的には初めてです。前回はわたしがガンの手術のと
きだったので、何も食べさせることができなくて。孫はどんな正月料理をよろこぷのかなー。
のどかな小春日和の田園から一転して、今日は蕭(しょう)条とした枯れ野です。この風景のなかを歩いている
とき頭にずっと、蕭(しょう)条という言葉がありました。漢字の知識が乏しいわたしです。蕭の字を書けと言われ
たらお手上げ。でも見ればなんとなく判別できます。パソコンの辞書でこの言葉を探すのに苦労しました。草冠
だとわかって、ようやく部首検索で。もともとヨモギを指す言葉だったのですね。それは知らなかったけれど、「冬
枯れ蕭条」という文句がどこかの寮歌にあって、頭の隅にこびりついていました。ヨモギが生い茂る荒れ果てたさ
まを形容しているのでしょう。だからほんとうは葦原にはふさわしくないのかも。
葦(あし)と葦(よし)は同じものだそうですが、ススキとかスゲとかカヤの仲間にも似た草がありますね。どう見分
けるのかさっぱりわかりません。今日の写真の枯れ草は適当に葦としましたが、ほんとうは何なのでしょう。この
日、木道の一部架け替えがちょうど終わったばかりでした。真新しい木肌を踏んで歩くのはすがすがしい気分で
す。春夏は途中でけっこう人に会いますが、さすがにこの季節、湿原のなかはわたし一人でした。それでも駐車
場近くまで戻ったときに3人のパーティーとすれちがいました。寂れた原に来るもの好きが他にもいるのですね。