八月の湿原
美幌の空の上で、「本州の仲間との付き合いもあるし、まだ八月が終わっていないし、ここだけすんなり秋とい
うわけにもいかないんだよ」とか、ぶつぶつつぶやきながら、気温設定ダイヤルをガチャガチャ回しているオニさ
んを想像してしまいました。昨日は2週間ぶりの真夏日。一時は外気温が32度を超えました。室内の温度計は
日没近くまで35度のまま。
わたしはわりあい風の通る東部屋で過ごしたからまあいいけれど、トタンが焼けて陽射を遮るもののない、屋根
の上で作業していた塗装屋さんは、さぞたいへんだったでしょう。歯医者から帰ったら、釧路から彼が来ていまし
た。何日か通って、雨漏り対策をやってみるそうです。二階の壁パネルをはずして梁や柱の骨組みについた雨
漏り跡を、屋根上に誘ってトタンが浮いている箇所を、わたしにも見せてくれました。北西の壁のモルタルも劣化
しています。古い家だから原因が一つではなさそうだけれど、カネをかけられないようだから、できるだけ一人で
やってみる、手に余ればトタン屋さんにも声をかける、と言います。
ピンポイントで雨漏りの原因を突き止めるのは、とてもむずかしいのだそうです。屋根を葺きなおし、モルタルを
塗りなおし、折れた骨組みの材木を新しくすれば、確実に雨漏りは止まるのでしょう。でもわたしの資力ではそれ
は無理。彼の努力に期待するだけです。一人ぐらしができるわたしの健康と、雨露を防ぐこの家の機能と、どち
らが長もちするでしょうか。