エゾエンゴサクおずおずと

 クレマチスさん、北海道に興味をもってもらえると、なんかうれしい。愛知は青葉ですか。こちらは川岸のヤナ
 
ギがふんわり緑がかっているだけで、他の木々はまだ萌える気配がありません。このしばしの猶予の間が、光を
 
むさぼる林床の草花にとって、一番貴重な季節です。
 
 
  orion*.:‘さん、桃の花がきれい。梅の次に桜に先駆けて開花するものと思っていましたが、まだ咲き続けてい
 
るのですね。まあこちらではみんな一斉にという感じですけれど。
 
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 先日美富自然公園の踏み跡もさだかでない場所で、エゾエンゴサクのはしりを見つけました。よほど丹念に探
 
さないと見落てしまう、つつましい姿です。まだ零下になる日もありますから、恐る恐る先行偵察隊として顔を出し
 
てみたのでしょう。大丈夫ということになれば、大挙して一斉に咲きそろい、あたりを紫色に染め上げます。倉本
 
聡の「風のガーデン」にその時季の映像がありました。場所は道央の森だったと思いますが。
 
 美富自然公園は魚無川の崖上で、晴れていればいまは陽がよく射します。雪解け後の草花がいち早くみられ
 
る場所です。福寿草エゾエンゴサク、シロバナノエンレイソウの順に繁殖活動の場を提供した後は、棘のある
 
潅木が人を阻む薮になります。
 
 ここの崖下に当たるせせらぎ公園の一画に、歩けるように切り払われた小道のあるちょっとした林が広がって
 
います。まだだいぶ先ですが、やがて紫色の絨毯を敷き詰めたようになります。エゾエンゴサクの終末期は白い
 
ニリンソウとの競演です。そこに少し背の高いエンレイソウがアクセントをつけて、メルヘンの世界のような光景
 
が見られます。アカゲラのドラムを伴奏に、ゴジュウカラの澄んだ歌声が響いていることが多く、顔を上げてコゲ
 
ラと目が合うことも。そういうとき、こちらが足を動かさなければ、しばらく被写体になってくれることを学びました。