五色に光る 『46年目の光』 1
れ、10年以上植物状態が続き、そのまま逝きました。近くにいたらすばやい対処ができたのにと、後々
まで悔いが残りました。
単極性(躁うつ病の片方だけ症状が出る)の躁病があるとすればそれではないかと、心配になりました。
ある本を読んでいて、それほどの多幸感に包まれたのです。『46年目の光』というタイトルのノンフィ
クション(NTT出版 ロバート・カーソン 池村千秋訳)です。最近読む楽しみをしみじみ味わわせてく
れる書物に出会う機会が多くなっていましたが、なかでもこの一冊は特別。
著者は、3歳で失明した男性、マイク・メイが、46年後に片目の視力を回復した実例を、メイの人生
を追いながら詳細に記述しています。マイクを育てる母親の方針は、手をとって導きできるだけ快適に過
ごさせるというものではなく、健常者の中で彼らと同じようにくらさせる、というものでした。家庭でも
他の子とまったく区別せずに仕事を分担させ、健常者のなかで学ばせる学校を求めて引越します。
マイクはこの育て方に応えることがでる子どもでした。自分の障害にコンプレックスを抱くことなく、
好奇心に溢れて活動的。他の子ができることは自分もやる。走り回っては転倒し衝突しながら、かなり距
離感を感知する能力を身に着けます。数々のケガや失神を代償にしてですけれど。知らない場所に踏み込
んで迷子になるのが大好き。自転車や車の運転さえ試みずにはられません。
あらすじをざっと紹介するだけでも長くなりそうなので、何回かに分けます。次回は、この元気な少年
がどんな大人になったのかを。
さて写真は、またまたつららの輝く色です。前にアップしたのとはちがう日ですが、絵柄は似たような
ものですから、あまり繰り返すと飽きられてしまいますね。