枝の雪 ムダの効用 6

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 またポカやったことにいま気づきました。ちゃんと書いたのに、一昨日のブログが投稿されていませ

ん。決定をクリックせずにパソコンを閉じたんですね。まだボケてはいないつもりなんだけどなー。


 先月末の雪はおおかた消えましたが、今日の町天気予報は雪マークが並び、終日零下になっています。

各時間の予報積雪量は1ミリ未満ですから、一昨日物置から玄関に移した除雪道具の出番はまだないでし

ょう。でも公園では冒頭の写真のような光景がきっと再現されますね。


 「ムダの効用」を長く中断してしまいました。何回分かは完成していたのですが、紛れ込んでいるウソ

っぽいものをどうにも取り除けなくて、アップしませんでした。このところ北海道の歴史を読み漁ってい

るうちに新しい発想を得たので、再開します。最後にいままでの部分とうまく整合させることができるか

どうかは、わたしにもわかりませんけれど。


               〔ムダの効用〕

6 北海道に欠けているもの 

 わたしは北海道北東部の自然が大好きで、何者かに感謝したくなるほど、仕事を引退した晩年をこの地

で過ごすしあわせを感じています。しかし見慣れた景観や動植物が増え、ものめずらしさが納まるにつ

れ、何かが欠けているという気がしてきました。自然については、より細かく見るようになったので、よ

ろこびにつながる新しい発見が尽きません。人付き合いも、多くはないものの、近所やお店の人などとの

何気ないふれあいを快く感じています。

 それでも何かが足りないと思うのは、好きな旅番組でほとんど毎日国内外の風物映像に接していること

も原因でしょう。おとといはドイツのある街でした。ヨーロッパは石造りの建物が多く、内部に手を加え

たり外壁を修理したりしながら、中世の城、教会、家々、町並みなどを保存し、そこでくらし続けている

人々がいます。日本では例えばきのう録画を再生した信州野沢温泉。300年前の建物で営業している旅

館があります。温泉のお湯を使って野菜などを加熱するのも、1000年を越す生活習慣かもしれませ

ん。

 北海道で海、山、丘、湖、湿原、牧場、田園、動植物などの、自然を中心とした景物以外で、観光客を

引き寄せるものは何でしょう。わたしがちょっと考えて思いつくのは、函館の五稜郭や夜景、小樽の運河

とガラス細工、札幌の時計台、旭山動物園など。この中で一番古い五稜郭でもできてから150年未満。

ほとんどは100年の歴史もありません。これらのどれ一つとして、わたしはじっくり観光していませ

ん。まったく興味がないというわけではないのですが、奈良の古寺・仏像に対するような強い憧れや、東

北の山間にある古い温泉宿に対するような懐かしさは感じません。

 「北海道は歴史が新しいのだからしかたがない、ないものねだりをするな。」という声が聞こえてきそう

です。でもそれは違います。北海道は北九州や近畿地方に劣らず、古い歴史をもつ土地です。「歴史が新

しい」と言うのは、近代以前のくらしをムダとして切り捨てる「アメリカ的」価値観に汚染されているから

です。わたしは常呂遺跡の森で復元住居の暗い空間にたたずみながら、「ここに歴史がある」と感じていま

した。(このテーマ続く)