ウトロ港の風景
した友人をここで待つ1時間半、わたしは退屈する暇がありませんでした。海では発着する小型観光船が
蹴立てる白い波が渡り、目の前の青空に浮かぶ羅臼岳の頂上では霧がゆっくり踊っています。何よりおも
しろいのは、崖に営巣しているカモメやカモメとおっかけっこをしているような小さな鳥たちです。
カモメは孵化期なのでしょうか。巣から顔を覗かせている親鳥がたくさんいます。空を飛翔して戻るも
のもいます。すばらしい速さで大空に散らばったかと思うと、一瞬視界から消える小さな鳥の群は、ウミ
ツバメの仲間かな。早すぎて望遠でクローズアップに捉えることはできませんでした。カモメの卵を狙っ
ているのかも知れません。崖に近づくと威嚇するように飛び立つカモメがいて、空中戦のような光景も見
られました。
砂浜では飛び立つ様子のない一羽が、ヨチヨチ歩いたり休んだりしています。近づいた老婆がなにやら
話しかけていました。どうやら片足に傷があって、それを気遣っていたみたい。写真でも何か足に巻いて
あるように見えます。誰かが手当てをしてあげたのかな。
最後の写真にあるのは大型観光船です。一艘は知床岬までの3時間コース(6千円ほど)のもので、もう
一艘は途中のフレベの滝で引き返す1時間半コース(3千円ほど)でしょう。岬コースなら海岸で遊ぶ熊を
目撃する可能性がとても高くなります。この日友人は途中までのコースで、熊は見なかったようです。別
な日に案内したもう一組は、時間の関係で大型船ではなく小型船の3千円コースを選び、幸運にも熊の親
仔とイルカの群に遭遇し、大喜びでした。