鎮まっていた神の子池

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 摩周湖と言えば北海道で代表的な観光スポットです。このカルディラ湖には外輪山を一周する車道も歩

道もありません。屈斜路湖側(北西)には道路沿いに二つの展望台が設けられていますが、反対側に回ろう

とすると、牧場地帯やちょっとした山道を何十キロも車を走らせなくてはなりません。そのため、裏摩周

展望台は観光客の少ない静かな場所でした。今月は2回ここを訪れています。そのたびに先客やら後続車

やらに会いました。だんだん人に知られてきている気配です。裏摩周展望台から少し小清水方向に足を伸

ばし、道道1115号を左に逸れて10分ほど林間の砂利道をたどると、神の子池があります。

 変哲のない小さな池です。でも豊富な清水が湧出し、地下水脈を通じて摩周湖とつながり、流入する川

のない湖の水位を一定に保っているのだそうです。周りを林に囲まれていて静かです。透明度が高く、写

真だと水底の倒木が表面に浮かんでいるように見えます。一部青色が強いところがあるのは、石灰分が含

まれているからでしょうか。

 一昨日の朝、霧多布に向かう途中で立ち寄ったとき、軽トラでやってきたお年寄りがトイレを掃除し、

駐車場や池の周りのごみを丹念に拾っていました。わたしたちがいる間にも、他に二組の訪問者が来まし

た。何かで紹介されたりして、裏摩周と共にここを知る人が増えているのでしょう。それでも、ゴミ一つ

なく鎮まりかえった環境が保たれているのは、地元の人たちの目立たない努力の結果だと思いました。本

州なら鳥居でも作られ、信仰の対象になったでしょう。宗教色を感じさせないところも、わたしが気に入

っている理由の一つです。