空の白鳥 給付金受け取るよ

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 きのう網走湖呼人半島には、湖面を覆う残氷を前に、解氷を待つ舟と漁師の姿が見られました。浅い春

の風情です。同じ湖でも女満別湖畔は湖水が広がり、白鳥、アオサギ、鴨、トンビなど、鳥たちでにぎわ

っていました。風は冷たくてもこちらは春です。この日を待っていたのでしょうか、車が次々やってきま

す。通いなれた場所ですが、休日でもないのにこれほどの数は初めてです。カメラをもつ人が多く、白鳥

が目当てのようです。わたしは飛ぶ姿を中心に撮りました。


               〔給付金受け取るよ〕

 役場から定額給付金手続きの書類が来たので、記入して投函しました。わたしは政府の給付金分配政策

に反対です。でも自分の分はしっかり受け取ります。先月20日付け朝日新聞の「経済気象台」というコ

ラムに、「(定額給付金を―引用者)評価しないなら、受け取らないのが筋であろう。このことは定額給付

金には反対だが、政府がくれるからもらっておくといった身勝手なご都合主義のいいかげんな態度といえ

る」と、書いてありました。これは、政策には反対だが受け取るわたし(たち)への、公然たる侮辱です。

売り言葉には買い言葉。ここからはちょっと言葉遣いを改めます。

 アンタは、経済政策を論じる公共次元と、私的な生活者次元の区別さえわかっていない。学者だか評論

家だか知らないが、物書きの名に値しないバカだ。2兆円で公共老人ホームを増設するとか、介護者の報

酬を上げるとか、無償奨学金を制度化するとか、医療費を下げるとかいうのなら、もろ手を挙げて賛成す

るよ。そのために2兆円を分けたりはできないと言うのなら、少しも欲しいとは思わない。だけどこの国

の公共政策にはまったく希望がもてず、現実には、自分の晩年は個人で何とかしなくてはならない社会に

なっているから、わずかな金も欲しいという気持ちになるのだよ。オレが給付金を辞退したら政策が変わ

るか?

 アンタは、5円でも10円でも安い大根を探して、2つも3つも店をはしごしたことあるか。顔そりも

シャンプーも断って1000円で髪だけ刈ってもらうため、3ケ月ごとに一回、20キロ先まで車を走ら

せたことあるか。痛くても歯医者にも行かずに我慢し、けして外では飲まず家で3ℓ880円の安酒を啜

る年寄りのくらしを、考えたことあるか。そういう人にとっての12000円の意味がわかっているの

か。生活者の現実もわからず、よくまあ経済を論じられるものだ。アンタは、飢えた人に食べ物を見せび

らかして、その人が手を伸ばしたら、「卑しい奴だ」と罵る尊大な奴らの仲間だ。


 このブログの訪問者のみなさんに誤解されるといけないので付け加えます。安売りの店を探し、理髪代

を節約し、安酒で我慢しているからといって、わたしのくらしが貧しいわけではありません。飢えよりは

腹デカが悩みで、入院には個室を選び、3LDKの家を独り占めにし、年に2,3回は泊りがけの旅行をし

て、けっこう豊かにくらしています。気にならないところでは節約するのも、2万円(わたしの場合この

額みたい)の給付金を受け取るのも、寿命と蓄えのどちらが先に尽きるかの競争で寿命の方が長いかもし

れず、万一そこまで生きる場合に備えて、蓄えの尽きる日を少しは先に延す努力もしなくては、と思うか

らです。もっとも、そのために「豊かさ」を犠牲にしようとはぜんぜん思いませんけど。

 ちなみに、「給付金を辞退したりせず、受け取ってわたしたちの団体に寄付して」、という類のことば

を目にすることがあります。それも筋がちがうでしょう。宝くじが当たった人にたかって、「不労所得

んだからオレにもよこせ」と言うようなもの。わたしはいくつかの団体に貧者の一灯を献ることがありま

すが、それは彼らの主張がわたしの心の琴線に触れたときです。寄付ってそういうものでしょう。